2018年03月24日(土) 12:00
◆「まさか」をどう見つけ出すか、それが高松宮記念
春のGIシリーズの開幕を告げる高松宮記念は、スプリント戦線の実績馬が揃って出走することが多いが、とにかく、新興勢力がよく台頭する。それは、時折「まさか」という思いにさせられてきた。その「まさか」をどう見つけ出すか、それが高松宮記念と言ってもいい。だが、そこには、きちんとした根拠がある場合もあるので、本当は「まさか」ではないのかもしれない。
この2年は、重賞未勝利馬が勝っていた。昨年のセイウンコウセイは4歳馬で、オープン入りして1、2着、充実期を迎えていた。中京は初コースでも6番枠を引き、これなら自在に立ち回れそうと上原調教師は期待していたが、レースでは行く馬に行かせ好位で脚をため、早目に抜け出していた。前年スプリンターズSを勝ち、香港スプリントを戦ったレッドファルクスが一番人気だったが、3ヵ月半ぶりで差しくらべで遅れを取って3着に敗れていた。
一昨年の勝ち馬ビッグアーサーは、デビュー5連勝でトータル10戦6勝の5歳馬、4番枠で終始4番手で流れに乗せ、持続力のあるスピードを生かしていた。前の年、デビュー3戦目の条件戦で、同じ日にあった高松宮記念と互角のタイムで勝っており、左回りの実績はあった。
2015年の勝ち馬エアロヴェロシティは香港の7歳馬で、香港スプリントを12月に勝ち、2月のスプリント重賞で2着して順調さが目についていた。層の厚い香港スプリント界にあってGIを勝つ底力がどんなものか証明したが、絶好の4番枠を生かし切ったレースでもあった。
そして、2014年、勝ったのは1200米が初めてのコパノリチャードだった。スワンSと阪急杯の1400米の重賞を勝っていて、不良馬場の1200米でそのスタミナが生きたように見えたが、5番枠で戦いやすかった。
こう見てきただけでも、香港馬を除き4歳、5歳馬が優勢であること、好枠を引いたものがレースの流れに乗っていい成績を残していること、暮れ以来の実戦となる馬はよくないことなどが見えてくる。
今年は6歳以上の実績馬が何頭かいて、最近の流れを変えられるかどうかがポイントになってきた。そのいくつかの要素の中で枠順を重視する事にして、過去10年の結果から9番枠から内の馬に照準を合わせてみた。そこに「まさか」はあるか。
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長岡一也
ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。
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