2018年06月09日(土) 12:00
◆最大の関心事は“今後にどうつながっていくか”
春のGIシリーズが終れば、秋以降に飛躍を期す馬の出番になる。エプソムカップの勝ち馬、好走馬を見れば、それがはっきりしている。ここをターニングポイントに出世していった4歳馬は、特に最近は目についている。
5年前の1着馬クラレントは、それまでに東京のマイル重賞を2勝している実績がものを言ったのだったが、2着のジャスタウェイはこれを足場に出世していき、秋の天皇賞から翌年のドバイデューティーフリー、安田記念と勝ち進んでいた。
そして3年前のエイシンヒカリはここが重賞初制覇で、その後毎日王冠から年末の香港カップと勝ち、翌年は仏イスパーン賞までものにしていた。さらに2着のサトノアラジンも翌年はGII勝ちとステップアップ、2年後の安田記念の優勝にまでつなげている。
2年前の勝ち馬ルージュバックは4歳牝馬で、きさらぎ賞以来の約1年4ヶ月ぶりの勝利だったが、GI戦線でもまれてきた苦い経験が生きていた。そして昨年2着のアストラエンブレムはオープン入り4戦目で、近走の好成績が生かされていたと考えられ、いずれにせよエプソムカップでの4歳馬の活躍はめざましい。
先週の安田記念で上位を独占した4歳馬の勢いは、今週も無視できない。
5歳馬以上の場合は、晩成型で力をつけてきたものの好走が目につく。4年前に勝ったディサイファは5歳馬でここが初重賞制覇、その後重賞タイトルを3つも加えていた。2年前2着に入ったフルーキーは6歳馬だったが、前年の暮れ阪神で重賞を勝っていたスロースターターだった。昨年は5歳馬ダッシングブレイズが重賞初勝ち、それまでオープン特別に勝ったり重賞出走を数多く経験していて、そのキャリアが生きていた。古馬で初タイトルというシーンも、多くはないが考えの中に入れておくべきだろう。
エプソムカップの魅力は、このように増してきているが、やはり、今後にどうつながっていくかが最大の関心事と言える。
日本ダービー50周年を迎えたとき、ダービー発祥のエプソム競馬場と東京競馬場が姉妹競馬場の提携をしたことに因んで出来たエプソムカップは、そのレース背景にふさわしい重賞になっている。
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長岡一也
ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。
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