2005年06月29日(水) 12:27
上半期の締めくくりの宝塚記念が、正にどんでん返しの結末、競馬は本当にムズカシイものです。改めて、レース連覇が如何に至難であるか、また半年ぶりの実戦がどれだけ大変であるかを知らされました。
まず、タップダンスシチー。タイム的には勝ててもいいものでした。3角からスパートして4角から突き放すというレースパターンは、本来のタップダンスシチーの姿。なのにそうならなかったのは、コスモバルクの存在があったからでしょう。この馬の道中の緩みないスピードは中距離なら屈指のもの。正攻法でこれに挑んだタップダンスシチーのダメージは、想像以上であったのでした。自分の力通りの戦いはできても、勝負となると別もの。競馬は相手関係を考慮せずには成り立たないということでしょう。
そして、ゼンノロブロイ。戦前から相手はタップダンスシチーと見られていましたから、比較的前々の位置取りというのは頷けました。道中ためを効かせて差し脚を伸ばすというゼンノロブロイにとり、緩みないペースを追いかけることに終始させられたのは痛かったのでした。また、このタイプの馬は、ここぞという瞬間に全てをかけるもの。下がってくるコスモバルクをさばくのに手間取ったのは、勝機を見出せなかった大きな原因で、完全に脚を余していました。菊花賞を見ているようでした。
一方のスイープトウショウは、11番枠でよどみなくスムーズに走ることができ、実に牝馬らしからぬ堂々とした姿でした。内枠でも引いていたらそう簡単ではなかったでしょう。幸運を味方につけ、秋華賞以上の相手にこれだけのレースができたことは、大きな自信になったことでしょう。2着ハーツクライは最初から後方にいてという自分の形で走れ、どれにも邪魔されることなく力を出せました。下馬評が片寄りすぎたことで、人気馬を狂わせる結果になったレースでした。
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長岡一也
ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。