2018年07月02日(月) 12:01
▲33年間という長い騎手人生に幕を下ろした林満明騎手
障害通算2000回騎乗を区切りに引退することを発表していた林満明騎手。その宣言通り、6月23日の東京ジャンプSを最後に、騎手人生に幕を下ろしました。ラストライドを終えた林騎手をゲストにお招きし、デビューからの33年間をじっくりと振り返っていただきます。初回の今回は、記憶に新しい最後のレースについて。ファンや関係者から投げかけられた声、引退を決めた一番の理由など、胸の内を赤裸々に語ります。(取材:東奈緒美)
東 林騎手、33年間という長いあいだ、私たち競馬ファンを楽しませてくれてありがとうございました。そして本当にお疲れさまでした。2000回目の騎乗となった東京ジャンプS(アスターサムソン11着)は、どんな気持ちで迎えられたんですか?
林 何とか無事に上がってこようという気持ちでしたね。
東 これが最後の騎乗か…という感慨深さはありましたか?
林 いや、それは思ったよりなかったですね。とにかく早く終わってほしいというだけで(笑)。いつものことだけど、レース前はもうドキドキですから。今回はパドックでもたくさん声を掛けてもらってね。だから余計に緊張した。しかも単勝は1.9倍…。もう“アチャー!”っていう感じでしたよ(苦笑)。
東 それだけファンの方たちの熱量がすごかったということですね。パドックでは、どんな声援が聞こえましたか?
林 「頑張れ!」とか「お疲れさま!」とかね。
東 ファンのそういった声が力になったところもあるのでは?
林 いや、逆にプレッシャーに…(苦笑)。もちろんうれしいという気持ちはあるんですけどね。輪乗りしているあいだが緊張のピークだったな。
東 最後のレースは11着。ゴールした瞬間はどんなお気持ちでしたか?
林 ん〜、ホッとしたのが一番かな。最後は馬が故障してしまったので申し訳ないなと思ったけど、ゴールまでたどり着けたんでね。
東 ゴール後もファンからの声援がすごかったと思うのですが、ちゃんと林騎手の耳にも届きましたか?
林 はい。野次られるのかなと思っていたんだけど、逆に「お疲れさま」とか「感動をありがとう」とか言ってもらってね。ウイナーズサークルのほうから戻ってきたら、本当にたくさんのファンが迎えてくれました。関係者の方たちも、みんなウイナーズサークルに集まってくれたし。さすがにちょっとホロッときたね。
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東奈緒美・赤見千尋
東奈緒美 1983年1月2日生まれ、三重県出身。タレントとして関西圏を中心にテレビやCMで活躍中。グリーンチャンネル「トレセンリポート」のレギュラーリポーターを務めたことで、競馬に興味を抱き、また多くの競馬関係者との交流を深めている。 赤見千尋 1978年2月2日生まれ、群馬県出身。98年10月に公営高崎競馬の騎手としてデビュー。以来、高崎競馬廃止の05年1月まで騎乗を続けた。通算成績は2033戦91勝。引退後は、グリーンチャンネル「トレセンTIME」の美浦リポーターを担当したほか、KBS京都「競馬展望プラス」MC、秋田書店「プレイコミック」で連載した「優駿の門・ASUMI」の原作を手掛けるなど幅広く活躍。
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