波乱の代名詞“七夕賞”は今も健在

2018年07月07日(土) 12:00


◆韋駄天ツインターボのような存在がいるのかどうか

 夏の福島のハイライト、七夕賞。かつて一番人気馬が26連敗もして、波乱のハンデ重賞の代名詞みたいなものだった。この記録がストップした2005年以降、昨年までの13年間でも一番人気馬は苦戦していて、優勝したのは4頭だけ、相変らず波乱の代名詞は生きている。

 この名物重賞の面目たるや、ただ人気馬が苦戦しているだけではなく、1〜3着の馬券圏内に入ってくる馬にも伏兵馬が続々と顔を出している点だ。この5年、7番人気以下の馬が全部で7頭も3着までに入っている。

 ということは、高配当になっているわけで、七夕賞の魅力とも言える。現在、各種ある馬券の中で一番買われている3連単が、この5年で3回も6ケタ以上の配当になっていて、なんと10番人気以下の馬が、4年も馬券圏内に一頭は入っているのだ。

 七夕賞を考えるとき、分かりやすいのが、韋駄天ツインターボのような存在がいるのかどうかに、まず頭を使うことだろう。

 七夕賞のファン投票によるメモリアルホースにツインターボが選ばれた2014年、それはJRA創立60周年記念事業のひとつとして実施されたのだが、この50回七夕賞は、メイショウナルトの逃げ切りになっていた。如何にもメモリアルレースにふさわしい結果だった。このとき騎乗した田辺裕信騎手は、他に行く馬もいないしスタートも出たので行かせた。ノビノビ走らせたのがこの結果になったと述べていた。

 メイショウナルトの近4走が2桁着順だったので5番人気だったが、一年前の夏の小倉記念をレコードで勝っており、56キロのハンデならこの結果も頷けたのではないか。

 このときのハンデ頭は58キロのマイネルラクリマで1番人気で3着と頑張ったが、これは前年の七夕賞を57キロで勝っていたのだから、福島は合っていたと考えられた。

 七夕賞の走破タイムは、1分58秒台とほぼ決まっているが、トップハンデで先行した馬はだいたいが苦戦している。それと伏兵がとび込む背景のひとつにハイペースがあげられる。

 内ラチのギリギリで機をうかがうか、最後方にいて直線一本に全てを賭ける、いずれも軽ハンデの場合が多いが、人気が落ちすぎるハンデ頭もたまには来る。今後のためにもハンデ重賞の見方を整えておきたい。

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長岡一也

ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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