2018年08月16日(木) 18:00 8
▲ついに豪州デビュー戦を迎えることになったダノンリバティ(c)netkeiba.com、撮影:下野雄規
(8月16日号 文=ポール・シムズ)
日本から豪州へ移籍したダノンリバティ(牡6歳)が、18日(土)にコーフィールド競馬場で行われる芝1400mのG2ローレンスステークスで、豪州デビュー戦を迎えることになった。
今年初めに移籍して以降、なかなか出走機会に恵まれなかったダノンリバティだったが、所属するダレン・ウィーア厩舎の僚馬5頭とともに待ちに待った出走となる。ダノンリバティは、同じウィーア厩舎のキングスウィルドリーム(セン4歳)とともに、ブックメーカー各社が8倍から9倍のオッズを付けている。キングスウィルドリームは英国から移籍して豪州では無傷の5連勝をマーク。現時点で10月20日(土)のG1コーフィールドカップ(芝2400m)へ向けたアンティポストでも1番人気になっている。
このレースで本命となっているのが、ミック・プライス厩舎のグラント(牡4歳)。10月27日(土)にムーニーヴァレー競馬場で行われるG1コックスプレート(芝2040m)へ向けて始動する。
また、自身の名を冠したレース、G1ウィンクスステークス(芝1400m、ロイヤルランドウィック競馬場)で春のシーズン緒戦を迎える世界ランキング1位のウィンクス(牝7歳)は、ブラックキャビア超えとなる26連勝をかけて出走する。
トーセンバジル、アドマイヤロブソン、カシアス、ダノンロマン、ハッピーモーメントの5頭が、レーシング・ヴィクトリアが管轄する検疫施設「ウェリビー・インターナショナル・ホースケア」における2週間の輸入検疫を終えて、所属先の厩舎へ移動した。トーセンバジル、アドマイヤロブソン、カシアスはダレン・ウィーア厩舎へ、そして、ダノンロマンとハッピーモーメントは、アンソニー・フリードマン厩舎へ輸送され、いよいよ豪州デビューへ向けた準備に入る。
彼らを購入した豪州の馬主オジー・カヒア氏は、1歳馬や若い馬への投資よりもむしろ、既に実戦経験を積んでいる現役馬を海外から購入することに大変意欲的な方である。カヒア氏は、共同馬主として競走馬を所有しているが、トーセンバジルについては、今やグローバルな競馬産業に進出・拡大を図るユーロン・インヴェストメンツ・グループとシンジケートを組み、コーフィールドカップとG1メルボルンカップ(11月6日、芝3200m)に出走させることを目標に掲げている。
「無事に5頭がオーストラリアに到着し、私もようやく彼らに会うことができました。すでに4、5ヶ月前から購入を決定していた馬もいたので、彼らの元気な姿を見ることができてとても嬉しいです」とカヒア氏は喜んだ。
▲カヒア氏の期待がかかるトーセンバジル(c)netkeiba.com、撮影:下野雄規
「5頭ともとても素晴らしい馬ですが、やはり別格なのがトーセンバジルですね。今後は、コーフィールドカップからメルボルンカップという路線を目指していきます。
誰もがトーセンバジルは良い馬だ、とおっしゃっていますが、私も実際に会って確信しました。昨年の香港国際競走ではハイランドリールの3着となり、日本の3200mが舞台の天皇賞・春でのパフォーマンスを見ても、間違いなく、この春のシーズンから大活躍してくれるでしょう」
先週、トーセンバジルの調教の様子を見たというカヒア氏は、「大変仕上がりが早い馬であることにとても驚きました。実際、厩舎のスタッフにも話を聞いたのですが、馬の状態は大変良く、とてもハッピーだと言っていました」と話す。
豪州デビュー戦は、9月30日(日)にコーフィールド競馬場で行われる芝1800mのG1アンダーウッドステークスが良いのでは、とカヒア氏は考えているようだが、「デビュー戦については、管理している調教師と厩舎スタッフにお任せしたいと思います」と語った。
Racing Victoria
1864年に創設された、オーストラリアのビクトリア州における競馬主催団体。メルボルンCなどの大競走が行われるフレミントン競馬場をはじめとした、ビクトリア州各地の競馬場で開催される競馬の運営・統括をしている。近年では日本調教馬の移籍も多数実現しており、日豪の関係に重要な役割を担っている。