2018年09月24日(月) 18:01 113
▲レッドファルクスで連覇を果たしたM.デムーロ騎手 (撮影:下野雄規)
今秋からスタートする新企画。GIが行われる舞台を、実際に勝った経験のある騎手や、そのコースを得意としている騎手に解説していただきます。第1回の今回は、スプリンターズSが行われる中山芝1200m。レッドファルクスで連覇したM.デムーロ騎手が語る攻略のポイントとは?
(取材・文:編集部)
※M.デムーロ騎手は本取材後、22日の阪神5Rで開催日4日間の騎乗停止処分が科せられ、レッドファルクスの鞍上は戸崎騎手に変更となりました。
――ミルコ騎手、よろしくお願い致します。
ミルコ よろしくお願い致します。
――夏競馬が終わり、秋のGIシーズンが始まる季節となってきました。そのスタートとなるのが、中山競馬場で行われるスプリンターズSですね。中山芝1200mで行われる競走です。今回はそのコースを、ミルコ騎手に解説していただきたいと思っているんです。
この3年のデータ(※2018/9/19現在)を見ると、ミルコ騎手の中山芝1200mの勝率は5割で、16回の騎乗で8回勝利されているんですよ。
ミルコ えーすごい! 僕は日本のどの競馬場も好きだし、全てにおいて良さがあると思いますけど、中山競馬場はとてもトリッキーだから、僕のトライと馬の力が重なった結果だと思います。
――そうなんです。よくジョッキーの方から、中山がトリッキーとお聞きするので、是非中山芝1200mのトリッキーな部分を教えていただきたく思います。
(ゲートから1コーナー)
ミルコ 中山競馬場は全体がトリッキーと言われますけど、特に芝1200mは難しいコースです。スタートして直ぐにコーナーがあります。短距離の馬は行きたがる馬が多いから、コーナーがまず混みます。だからこそ、外枠は本当に大変。普段のコースよりもロスが多くなってきますね。
それを考えて内に入れようとするのも非常に難しいです。スピードを落とし切って中に入れるか、引っ張るしかないですから。だから、出脚が付かない短距離馬だったら、そうする人もいますね。
――短距離はただでさえ直ぐに終わってしまうのに、1コーナーまでで熾烈なポジション争いがあるんですね。その後、向こう正面はいかがですか?
(向こう正面)
ミルコ 向こう正面は、くだり坂になっていて、更にスピードが出やすい作りになっています。だから、コーナーで気持ちが入ってしまった馬は大変だし、そこの坂で外にいる馬はなだめるのが非常に大変。短距離馬は、行きたい! 行きたい! って鼻息を荒くするから。逆に内に入れて前に馬が置けたら、逆に息を入れることも出来る。リラックスさえ出来たら、坂に合わせてスピードは上がるけど息がスっと入りますから。
――そして、最後の4コーナーから直線に向けてはどうですか?
(4コーナーから直線)
ミルコ 4コーナーでは、外に出すか内に行くかという選択肢を騎手全員が考えます。しかし、下り坂でスピードが上がってきた馬達をコントロールするのは、とても技術がいりますね。そして、直線は短く、坂がキツイので、本当に合う馬と合わない馬がハッキリと分かれるコースだと思います。
全てにおいて、難しさがあり、運が非常に大事になるコースです。内でためすぎても脚を使いきれないし、外に回されたら間に合わないしと言った点がトリッキーと言われるのかなと思います。だから半分も勝てているのは、馬の力や運の部分も大きいですね! ただ、本当に難しいコースを攻略するのは大好き!
――とてもわかりやすい解説を、ありがとうございました。
ミルコ こちらこそ、ありがとうございました!
netkeiba特派員
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