青函S

2005年07月22日(金) 11:29

 タニノマティーニは、タニノギムレットの一族ではないが、3代母になる芦毛の牝馬タニノテスコ(父テスコボーイ)から広がる成長力あふれるファミリーの出身。タニノテスコは牝馬ながら5歳時に京阪杯、6歳暮れに阪神牝馬Sを制するなど、ベテランになってからの方がずっと強かった。

 タニノマティーニは昨年まではローカル函館、札幌を中心のやや地味な短距離型であまり底力やパワーを感じさせない馬だった。ところが今年は、中央場所の1400mで連続して1分20秒台の好時計を記録した後、前走は1600mを1分33秒7。直線もう1回伸びて後続を突き放して勝利している。そしてOP入り。ローカル1200mで渋く勝っていた昨年とは、明らかに迫力が違ってきた。

 もともと1分10秒前後にもなる函館の芝1200m(昨年は3連勝)は得意とするところで今年はもっとパワーアップ。さらに強いレースをみせて不思議ない。

 人気のディープサマー、あるいはアタゴタイショウなどを追走していけば良い形も、好位抜け出しをパターンとするタニノマティーニに理想の形だろう。ずっと57キロや、時には58キロで戦ってきた同馬に54キロの軽ハンデも1200mだけに大きなプラスだろう。

 父ウォーニング(代表産駒にカルストンライトオ、サニングデールなど)はもちろん、祖母の父ラッキーソブリン、3代母の父テスコボーイなど上級スプリンターとして開花して不思議ない種牡馬の血を重ね取り入れている。

 新潟の天の川Sは、抜け出してしぶとく二の脚を使うエローグ。小倉のメインは牝馬ファストアズライトから入る。特に後者は昨年、OPの北九州短距離Sと同日、まったく互角の1分07秒5で圧勝している小倉巧者だ。少頭数でも馬単なら好配当だろう。

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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