フェニックス賞

2005年08月05日(金) 11:58

 日曜は早くも函館2歳S。注目のサクラバクシンオー産駒で、武豊を配したアドマイヤカリブ以下の注目馬が出走する。

 サクラ・・・の小島太(当時は騎手)といえば、その昔、スプリンターズSを2連勝。1974年には当時の大レコード1分08秒4で快走したサクライワイ(父アタドア)という馬がいた。そのサクライワイが当時の函館3歳Sを勝った年は、芝の張り替えに失敗したところへ、毎週、毎週大雨が降って、文字通り史上最低の「不良馬場」が多かった1973年のことで、サクライワイは1200mを1分21秒7で勝っている。ちなみに同じ年、2000mの函館記念は2分16秒4という記録がある。たまに、このサクライワイの記録をネタにすると、きまって「1分12秒7」と校正されてしまう。見ていない若いファンや編集者は、やっぱり1200m・1分21秒7は間違いと思ってしまうらしい。当たり前か。

 あの年、重の鬼ヒシダイセンが2400mの「みなみ北海道S」を独走したが、時計は2分48秒3。2着が3.4秒ちぎれ、5着ツキサムホマレが2分54秒3。10着馬は2分56秒3(8秒差)、その後にもっと離れて3頭も歩いていたという記録もある。みんなバテてしまった。

 土曜の2歳S。小倉のフェニックス賞の注目馬の1頭は、新種牡馬ダンディコマンド産駒のミッキーコマンド。父ダンディコマンドは小倉[4-0-0-0]。99年の北九州記念をレコードの1分46秒5で独走した快速馬、イシノサンデーの皐月賞5着馬でもある。色々あって種牡馬入りは遅れたが、3代前はスワップスの全妹という隠れた快速馬。産駒は今年度10頭。そのうち1頭だけ中央入りしたのが宮崎県生まれのミッキーコマンド。九州産馬戦を除外された新馬戦、1000mをタイレコードの56秒8で逃げ切って見せた。

 大物というわけではないが、アグネスタキオン産駒の人気馬相手でも、この距離1200mなら見劣らないはずだ。

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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