2018年12月21日(金) 18:00
2007〜2008年スズカフェニックス、2009〜2010年キンシャサノキセキ、2011〜2012サンカルロ、2013〜2014年リアルインパクト…。過去12年で「連勝」した馬が4頭もいて、2年連続の連対馬も複数いる。きわめて特殊なリピーター重賞は、この距離にはGIがなく、また古馬のグレードの高い1400m重賞はこのレースのほかに「京王杯SC」「スワンS」があるくらいだからだろう。そのため、前出のサンカルロのように毎年この重賞を目標【2-1-0-3】にしていた馬もいた。
今年、昨年につづいての出走は、7着だったレーヌミノルと、16年の勝ち馬で昨年は12着だったシュウジの2頭だけ。注意は払わなければならないが、勢力図の変化する年と思える。
有馬記念の前日。ムダ玉は打てないから、人気のサトノアレス、ジュールポレールでもいいが、世代交代を重視して(先週、明らかに有利だった)内枠を引いた3歳ミスターメロディ(父スキャットダディ)から入りたい。父スキャットダディ(その父ヨハネスブルグも、さらにその父ヘネシーも日本で供用された種牡馬)は、今年、無敗の米3冠馬ジャステファイを送って脚光を浴びている。
ジャステファイの母の父は、BCクラシックなど11戦9勝のゴーストザッパー(祖父は名スプリンターのデピュティミニスター)であり、ミスターメロディの母の父はそのデピュティミニスターである。血統背景はきわめて似ている。
こういう血統背景らしく、ミスターメロディはダート戦から出発して【2-2-0-0】の星を残したが、初めて芝に挑戦した3月のファルコンSを0秒2差で快勝した。つづくGIのNHKマイルCも1分33秒0で乗り切り、今回も対戦する人気のケイアイノーテックとわずか0秒2差の4着。外枠から折り合いを欠いて口を割って先行し(自身の1000m通過58秒1)、残り400m地点ではテトラドラクマを交わし一旦先頭に並んでいる。休み明けの前回のオーロCも最後に伸び負けしただけで、好位から抜け出しかかり1分20秒7での5着は少しも悪くなかった。
ダートも合わせ1400m以下は【3-2-0-1】。スピード色が濃いので今回の距離はベストに近いだろう。叩き2戦目の今回は、追い切り内容も一変しファルコンS当時のデキを思わせる。Cデムーロを配してきたのも大きなプラス。前回不利があって6着のジュールポレール(今回はMデムーロにチェンジ)本線に、有力どころに数点流したい。
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柏木集保
1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。
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