2019年02月22日(金) 18:00
豪華メンバーの中山記念。それだけ馬券の入り方もいろいろあって、悩ましくも楽しいレースとなった。
ステルヴィオは前走がGI勝ち、舞台はスプリングS勝ちの中山芝1800mと良いムードでの登場。皐月賞〜ダービーは距離を意識したか慎重な位置取りだったが、マイルCSは4〜5番手からの競馬でモノにした。手遅れの位置にさえならなければそれなりの着順に食い込めそうだ。外国人ばかりが乗ってきた馬に丸山元気騎手の騎乗。次走まで込みの依頼のようだが、この2戦は騎手人生を決める重大なレースとなるだけに、良い結果を期待したい。
スワーヴリチャードは中山だと器用さが足りずにきたし、1800mとなるとさらに不安な面はある。ただ、能力の絶対値が高いのはこの馬。適性面に気を配りすぎて、強さでひっくり返されるような予想をしないように気をつけなくてはならない。
ディアドラの香港Cは、前が楽に行っていたことを考えるとよく差し届いての2着。牝馬ながら牡馬の一線級相手でも十分やれるところを見せた。今回のテーマは脚質。中山内回りは紫苑S(2000m)もハナ+ハナの僅差だっただけに、1着まで届きうるかどうか。速い上がりを使える馬だがそれが生きる展開になるかどうかもやってみなければ分からず、受け身の立場でもある。
エポカドーロはダービー2着があるものの、本質的には2000m前後が向いている印象。少なくとも菊花賞の3000mは長い。それだけに今回は巻き返したい一戦だ。有力馬の中では貴重な「自分で競馬を作れるタイプ」だけに、積極的なレースを期待したい。
ラッキーライラックは秋華賞時点でデキがいまひとつだったし、まだ見限れない。この馬も積極的な競馬をする手はあると思う。内からマルターズアポジーを行かせて、好位から粘り込む競馬すれば差し・追い込みタイプの人気上位馬を封じるチャンスはあると思う。
ウインブライトはGI上位常連組とは別な文脈からの登場。昨年のレースを考えればもちろんコース適性はあるのだが、昨年に比べると相手関係がかなり厳しい。中山金杯を勝った勢いでなんとかしたいところだが、そのためにはマルターズアポジーが昨年と同じようなラップを踏んでくれることが前提となる。そのマルターズアポジーも先週の小倉大賞典が超消化不良の競馬だっただけに、武士沢騎手に戻ったここは気前よく逃げてくれるのではないだろうか。
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須田鷹雄
1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。
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