袖ヶ浦特別

2005年09月23日(金) 12:07

 エンドスウィープ(父フォーティナイナー)は、種牡馬はみんな不思議そのもので、人間より個性がつかめず、遺伝の神秘そのものなのだけれど、とくに正体を見せない種牡馬だ。

 ネイティヴダンサー系には、もともとそういう所(最大の長所)があり、だから山のように広がったのだが、オグリキャップも、キングカメハメハも、アグネスデジタルも、広い区分ではみんなネイティヴダンサー系であり、くくる必要もないが、シーバードも、ノーアリバイも、欧州のクリスも、同じ父系になる。エンドスウィープの不思議は、そのネイティヴダンサーの血を(4×5)で持っていたりするからかも知れない。

 最初、エンドスウィープは、2歳戦で驚異的な勝ち上がり率を誇る、仕上がりの早いスピード型の種牡馬として輸入された。事実、エンドスウィープ産駒で2〜3戦目までに勝ち上がれないような馬は、走らない。だが、短距離向きの、それもダートを得意とする産駒が多いはずの予測は、大きく覆されている。ダートの短距離だけのサウスヴィグラス型もいるが、スウィープトウショウ、ラインクラフト、フォーカルポイントを筆頭に、芝の中距離GI級が、ダンシングキャップのオグリキャップのパターンではなく、次々に出現してしまうのである。プリサイスエンド、スウェプトオーヴァーボードなど、後継種牡馬がいっぱいいるが、多分、エンドスウィープの域には達するとは思えず、それだけに不思議な種牡馬エンドスウィープは、後になるほど名種牡馬の評価を高めるだろう。

 中山11Rのゴールドクラウンは、そのエンドスウィープ産駒。1000万下にいるのだから小物には違いないが、ダートよりは芝のほうが合っている。芝1200mだと、はまると上がり33秒台で突っ込んでくる。カギはスタートだが、再三出遅れていた馬が、ここ2戦は好スタート。あまり人気にならない今回が狙うべきレースだろう。

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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