札幌2歳S

2005年09月30日(金) 11:13

 1997年から距離1800mのGIIIとして生まれ変わった札幌2歳Sは、年ごとにレベルが上がっている。各地で早くから1800m級の新馬戦が組まれるようになり、また、才能ある2歳馬のデビューも早まっている。

 こういう距離の2歳戦は、もし素質に大差がないなら、明らかにキャリアに勝る馬有利に展開する。これまで8回の連対馬16頭のうち、新馬勝ちだけのキャリア1戦という馬はわずか4頭だけ。公営所属馬を中心に、2〜3戦、あるいはそれ以上のキャリアを持つ馬の方が、ずっと有利という結果が出ている。

 ただ、注目は1戦だけのキャリアで通用した馬だ。後のダービー馬ジャングルポケット(00年)、マイネヴィータ(01年)、皐月賞2着のサクラプレジデント(02年)、桜花賞2着のアズマサンダース(03年)は、いきなりGIIIで勝ち負けしている。

 やがて後のGIで好勝負できるような素質馬なら、1戦のキャリアもそう大きな死角ではなく、スケールを生かして早くも2戦目で1800mの重賞で勝ち負けできる。マツリダゴッホに期待する。

 デビュー戦の1分52秒8は、速くはないが、1000m通過65.5秒の超スローで流れた1800mとすれば悪くない。マツリダゴッホ自身は、後半を推定(46.6-34.8秒で)まとめている。外からまくり気味のロングスパートを決めて、最後の1Fは11.6秒だった。余力のある脚いろで、2着以下を7馬身も突き放している。

 まだ首の高い走法だが、実にシャープ。サンデーサイレンス産駒で、母はナリタトップロードの半姉(弟の活躍で輸入された)。ナリタトップロードとはタイプが違うが、成長力に恵まれていることだけは確かだ。

 同じくキャリア1戦のニシノロドリゲス、フラムドパシオンも、キャリア1戦が嫌われるから、逆に相手に加えておきたい。

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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