2019年05月07日(火) 12:00
ヴィクトリアマイルは、前走で好走していた馬でも意外と好配当を演出する存在になるレースだ。一般的には前走好走→今回人気→回収率が伸びないという構造になるが、このレースについてはちょっと違う。
全13回における前走オープン出走馬について見ると、前走1着だった馬の複勝回収率は92%。前走2着馬は109%、前走3着馬90%、前走4着馬101%、前走5着馬701%となっている。前走5着馬は15年のミナレット(前走福島牝馬S5着、ヴィクトリアマイル18番人気3着)が効き過ぎているが、全体的に高いことは間違いない。
ちなみに前走6〜9着馬は47%、10着以下馬は76%なので、無理にこちらを掘るより前走好走馬を当たったほうが早い。
この前走1〜5着馬はいろいろな前走レースから来ているが、該当例として多いのが前走阪神牝馬S組と福島牝馬S組。過去13回にそれぞれ45頭と32頭(前走1〜5着馬のみ)がヴィクトリアマイルに出走してきた。
阪神牝馬Sはご存知のとおりこの間に距離が変更となったが、1400m時代の1〜5着馬が直後のヴィクトリアマイルで[1-1-2-29]だったのに対し、1600mになってからは[2-2-2-6]。昨年は1〜3着がすべてこの組だった。
今年の阪神牝馬S組では当時4着のダイアナへイローが今回登録しておらず、1,2,3,5着馬が登録。前走時の人気は4,12,9,6番人気。それだけに好走してもなお信用されない面があるかもしれないが、ここまで書いてきた趣旨からすると「前走好走を素直に評価」とするのが正しい判断だろう。
福島牝馬Sから直接ここに来るのはデンコウアンジュ1頭。今回それほど人気になる雰囲気ではないが、前走1着で一昨年の2着馬(当時11番人気)。来てみたら「やっぱり」となる存在だ。
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須田鷹雄
1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。
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