スワンS、武蔵野S

2005年10月28日(金) 12:06

 5歳牝馬チアフルスマイルは、その祖母が1988年のケンタッキー・ダービー馬のウイニングカラーズ(父カロ)。ウイニングカラーズの半姉にオールダンス(父ノーザンダンサー)がいて、この牝馬は今週の天皇賞(秋)に出走するタップダンスシチーの母にあたる。 
 
 ウイニングカラーズにミスタープロスペクターが配合されたのが、母のゴールデンカラーズ。世界的な良血馬は、外国産馬として輸入され、期待ほどは走らなかったがクイーンC・2着など計3勝。父の影響を受け、スピード型のマイラーだった。

 チアフルスマイルはここまでいろんな距離に挑戦してきたが、1200〜1500mは[6-1-2-3]、対して1600m以上は[0-1-2-4]。はっきりスピード型で、スプリント戦をこなすマイラー型といえる。ここをステップに1600mのGIマイルチャンピオンSという牝馬でもなく、この1400mのGIIこそが狙いだろう。京都の芝1400mは3.3.5.1着。抜群の良積というわけではないが、その4戦の上がり3ハロンは順に(33.4秒、33.7秒、33.0秒、33.7秒)。強烈な切れ味が光っている。坂で伸びるパワー型ではなく、平坦の直線でシャープな切れを生かしたいタイプの典型といっていいだろう。1分20秒9(上がり33.0秒の際)の持ち時計もあり、1800〜2000mの重賞でも好勝負に持ち込む力をつけたいま、ベストの1400mの今回こそ、絶好の狙いだ。

 この1400mこそベスト、あるいは目下絶好調という馬はきわめて少ない組み合わせ。買う価値はありそうだ。
 
 東京11Rの武蔵野Sは、3歳カネヒキリが断然の人気だが、57?で今回の相手(古馬)は、ここまでの同じ3歳馬とはだいぶ違う。意外や…も考えておきたい。狙うならマイネルモルゲン。前走は一旦下がってしまい、脚を余してシリウスS・3着。ベストの1600mで斤量は57?。Hペース必至だけに、キャリアの差で差し切る場面もありそうだ。

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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