タタソールズ・ディセンバーセール

2005年11月15日(火) 23:50

 11月21日から、欧州最高のミックスセール「タタソールズ・ディセンバーセール」が、英国ニューマーケットで行われる。当歳セッションから、今季の愛1000ギニー(愛G1)勝ち馬サイラー(購買価格4,000ギニー、約88万円)や、今季2重賞を制して来季の英1000ギニー(英G1)の有力候補となっているフラッシーウィングズ(購買価格26,000ギニー、約573万円)らが出現。牝馬セッションからも、27,000ギニー(約595万円)で購買された繁殖牝馬ヘルシンキがG1・4勝のシャマーダルの母となり、60,000ギニー(約1,323万円)で購買された牝馬ツゲラがメルボルンC(豪G1)・3連覇達成のマカイビーディーヴァの母となり、3,000ギニー(約66万円)で購買されたディセンブルが加G1・アットマイル勝ち馬ルワーデザニモーの母となるなど、今季も世界中で出身馬の活躍が目立ったこのセール。今年も興味深い品揃えとなっている。

 まずは、話題のモンジュー産駒が22頭、初年度産駒の1頭ジャリスコライトが日本で2戦2勝のファンタスティックライト産駒が18頭いるのをはじめ、1,200頭余りが上場される当歳セッション(11月23日から26日)。

 目玉となりそうなのが、上場番号1,048番、父サドラーズウェルズの牝馬。ジャパンCなど世界でG1・8勝を挙げた近年の名馬ファルブラヴの半妹にあたる。競走馬として大きな期待がかかるだけでなく、将来の繁殖牝馬候補としても価値の高い馬だ。

 この他、今年の愛1000ギニー勝ち馬サイラーの半弟(上場番号769番、父オークションハウス)、ジャパンCにも来日したチャンピオンS(英G1)勝ち馬ストーミングホームの半弟(上場番号1,173番、父ホークウィング)、今年のエディーリードH(米G1)勝ち馬スウィートリターンの半妹(上場番号1,492番、父ドバイディスティネーション)といったG1ホースの弟妹が上場予定だ。

 日米オークス連覇を果たしたシーザリオの近親にあたる上場番号1,034番の牝馬(父ロックオブジブラルタル)、ダイワカーリアンの姪にあたり、姉に仏G1・サンタラリ賞勝ち馬フィデリテがいるという、上場番号1,129番の牝馬(父ハイチャパラル)など、日本に縁のある血統馬の上場もある。

 更に、史上初のロイヤルアスコット短距離重賞ダブル(ゴールデンジュビリーS-英G1、キングズスタンドS-英G2)を達成したショワジール、BCマイル(米G1)勝ち馬ドームドライヴァー、ロイヤルアスコットの英G1・クイーンアンS勝ち馬ドバイディスティネーション、03年の欧州古馬チャンピオン・ホークウィング、英愛ダービーに加えてBCターフ(米G1)連覇を果たしたハイチャパラル、ドバイシーマクラシック(首G1)などG1・4勝のネイエフらの初年度産駒が、市場でどう評価されるかを見るのも楽しみだ。

 11月28日から12月1日まで行われる牝馬セッションも、興味深い上場馬が目白押しだ。

 現役の牝馬では、何と言っても上場番号2,500番の3歳牝馬メイズコウズウェイに注目。今年のロイヤルアスコットの英G1・コロネーションSに勝ち、英1000ギニーでも2着となっている、現役屈指の強豪牝馬である。今年10月のタタソールズ・オクトーバーセールで、メイズコウズウェイの半妹(父モンジュー)が市場2番目の高値となる82万5千ギニー(約1億8千万円)で購買されたが、彼女には果たしていくらの値が付くか。

 上場番号1,868番のドンナブリーニという2歳牝馬は、今季の英G1・チェヴァリーパークS勝ち馬。来季の1000ギニーの有力候補となっている馬で、これも誰がいくらで購買するか楽しみ。

 この他、今年の愛1000ギニー2着馬ペンケンナプリンセス(上場番号1,852番)、先週のエリザベス女王杯にも出走した英オークス(英G1)3着馬サミットヴィル(上場番号2,501番)らが上場を予定している。

 受胎牝馬では、この夏の英インターナショナルS(英G1)でセンノロブロイらを斥けて優勝したエレクトロキューショニストの母(上場番号2,473番、モンジューを受胎)、今年の英国ダービー馬モティヴェイターの姉(上場番号1,931番、モンジュー受胎)、今年の愛1000ギニー馬サイラーの母(上場番号1,687番、キラキー受胎)らが、市場関係者の熱い視線を浴びそうだ。

 ファインモーションの姉にあたる上場番号1,707番の牝馬(ガリレオを受胎中)、ブラックホークの妹にあたる上場番号2,119番の牝馬(ロックオブジブラタルを受胎中)など、日本の生産者にとって垂涎の血脈の上場もある。

 セールの結果は、12月7日のこのコラムで御報告したい。

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合田直弘

1959年(昭和34年)東京に生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の製作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬に学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。

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