2005年11月11日(金) 12:50
大きく変わりそうな期待馬が多く、頭数のわりに絞れないが、2戦2勝の牡馬トーヨーエーピーに期待する。
初戦の1400m1分24秒8(重)、2戦目の1600mの1分36秒8、ともに勝ち時計はあまり目立たないが、追ってしっかり伸びる点と、まだ追い出してささったり、口ムキの悪さを見せて全能力を出し切っていない点が魅力。
とくに前走の芙蓉Sは、直線まで我慢して進み、スパートしたのは坂を上がるあと1ハロン手前ぐらい。それもすぐにエンジンがかかったわけではなくモタモタしていたが、坂を上がると外から一気に差し切った。この1ハロンがスローだったから、11.6秒。この馬自身は11秒を突破するぐらいの一気の切れ味を爆発させている。内へささりそうになるのを矯正しながらだった。
今週の追い切りでも、内の新馬に並びかけるまでモタモタして反応が鈍かったが、並んで闘志に火がつくとグンと加速してスパートしてみせた。この追い切りや、新潟の新馬戦をみると、左回りの方がスムーズで、中山の前走のようなささる面を見せない。
A.P.インディ直仔の父オールドトリエステは、良績集中は8〜9ハロン。決して快速の短距離馬ではないところも、長い直線の東京でしぶい末脚となってフルに生きそうだ。
前走で勝ち上がったあと、一段と迫力を増しているブラックシャドウと、いかにも切れそうな西のイースターの2頭が当面の相手だろう。
人気の割れそうな東京の最終12レースは、3歳の上昇馬ユノナゲットに注目。父はフォーティナイナー。牝系はノーリーズン、ヤマニンパラダイスなどを送る一族で、同じフォーティナイナー産駒では、ダート向きの種牡馬トワイニングが近親馬になる。全体時計は平凡でも、前走の上がりは36.4秒。相手は強化したが、追っての味では互角以上だろう。
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柏木集保
1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。