門別では今年も田中淳VS角川

2019年09月03日(火) 18:00 17

ホッカイドウ競馬の2強調教師、これからに期待

 先週のこのコラムでは、ホッカイドウ競馬でデビューした新人・小野楓馬騎手が8月21日に1日5勝ということをお伝えしたが、小野騎手の活躍はそれだけにとどまらなかった。

 8月29日に行われた2歳牝馬による重賞リリーCで、4番人気のプリモジョーカーに騎乗し見事に逃げ切って見せた。プリモジョーカーはデビューからずっと阿部龍騎手が手綱をとっていたのだが、今回阿部騎手は栄冠賞を制していたバブルガムダンサーに騎乗(8着)。

 そして巡ってきたチャンスを生かし、小野騎手はデビューからわずか4カ月ほどでの重賞初制覇。2週続けての“あっぱれ!”な活躍だ。

 さて、夏が短い北海道は、お盆が過ぎるといきなり秋がやってくる。ホッカイドウ競馬の2歳戦も、8月29日の開催でJRA認定のフレッシュチャレンジ/アタックチャレンジが終了。

 JRA上級認定のウィナーズチャレンジは引き続き行われるが、9月3日からの開催では、2歳の番組は秋の様相となって終盤へと向かう。ホッカイドウ競馬の1シーズンはあっという間だ。

 門別競馬場の調教師リーディング(勝利数)は、昨年同様、今シーズンも田中淳司調教師と角川秀樹調教師が、以下のとおり、3位以下を離しての争いとなっている(数字は8月末現在、門別競馬場のみの成績で、出走数-1着-2着-3着/収得賞金)。

 田中淳司 405-82-58-73/86,685千円
 角川秀樹 327-72-42-44/88,656千円
 林 和弘 264-40-30-30/37,316千円

 ところが2歳戦に限った勝利数リーディングでは、角川師が逆転する。

 角川秀樹 175-35-22-19/49,625千円
 田中淳司 156-28-20-26/39,850千円
 林 和弘 97-16-10-8/18,390千円

 ここまでに行われた2歳重賞は4戦。角川師は、栄冠賞をバブルガムダンサー(父パイロ)で、リリーCをプリモジョーカー(父スズカコーズウェイ)で勝って2勝。田中淳師はフルールCをコーラルツッキー(父シニスターミニスター)で勝った。

 そしてもう1つ、ブリーダーズゴールドジュニアCを制したヨハネスボーイ(父ヨハネスブルグ)は桧森邦夫調教師で、同馬はJRA札幌のクローバー賞で2着に入り、札幌2歳Sでも直線であわやという場面があって5着と好走した。

 ホッカイドウ競馬の2歳戦は、交流JpnIIIのエーデルワイス賞(10月10日)、北海道2歳優駿(10月31日)に向けていよいよ佳境に入る。昨年は両レースとも地元ホッカイドウ競馬所属馬が制したが、今年も引き続いての活躍が期待できそうだ。

 そして種牡馬では、毎年のように重賞勝ち馬を送り出すサウスヴィグラスが、上記のとおり今年はまだ門別の2歳戦では産駒の重賞勝ちがない。とはいえ門別2歳戦の種牡馬リーディングでは勝利数・賞金(18勝/19,605千円)ともに1位で、2位がスズカコーズウェイ(10勝/16,875千円)となっている。

 重賞勝ちがないにもかかわらず、勝利数だけでなく賞金でも1位になっているのは、JRA認定競走の勝ち馬が多いということ。サウスヴィグラス産駒は来年デビューする現1歳世代が最後となるが、大物産駒の出現がまだまだ期待できそうだ。

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斎藤修

1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。

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