【和田竜二×藤岡佑介】第1回『日本一元気な42歳 “和田竜二”を大解剖!』

2019年11月20日(水) 18:02 131

with 佑

▲年内最後のレギュラーゲストは競馬界の人気者、和田竜二騎手 (C)netkeiba.com

年内最後のレギュラーゲストは、競馬界の人気者! 和田竜二騎手です。対談のテーマは、ズバリ「日本一元気な42歳、和田竜二を大解剖!」。「日本一元気」というのには、もちろん理由があります。それは圧倒的な数を誇る和田騎手の騎乗数。今年も現時点で、全ジョッキー中、唯一800鞍を超えています。「土日で20頭は全然平気」と話す和田騎手、その元気の秘密に迫ります。

(取材・構成=不破由妃子)

確かに俺、体力あるわ! それは自分でも思う

佑介 和田さん、今日はよろしくお願いします! 単独インタビューや(岩崎)翼との対談など、netkeibaにはけっこう出てますよね。いつも見てますよ。

和田 netkeibaは、ほとんど俺で持ってるようなもんやで…。知らんけど(笑)。で、今日は何の話をするの?『太論』についてでも語ろか?

佑介 和田さんもけっこうヘビーユーザーですね(笑)。え~、今回のテーマはですね、『日本一元気な42歳、和田竜二を大解剖!』です。和田さん、ホントに元気ですよね。

和田 確かに俺、体力あるわ。それは自分でも思う。家でもね、よう働いてるもん。さすがの俺も、今年はちょっと疲れてるけど。

佑介 競馬終わりの土曜日の夜、調整ルームにいるときの和田さんは“42歳のオジサン”だけど(笑)、日が出ているうちは、そりゃあもう誰よりも元気。ものすごい仕事量なのに、体力も気力もありますよね。

──なにしろ圧倒的な騎乗数ですからね。今年も現時点(11月10日時点)で、全ジョッキー中、唯一の800超えです。

和田 そうなん!? そんなに乗ってる? 自分では、今年は少ないなと思ってんねんけど。

佑介 800で少ないって…。今800ということは、大体年間で900鞍近く乗るということですよね? 下手したら、僕の2年分なんですけど(苦笑)。

和田 俺ね、数を乗らんほうが逆に疲れるんやわ。(レースとレースの間が)空くとしんどい。乗りっぱなしのほうが集中力を保てる。

with 佑

▲和田騎手「俺ね、数を乗らんほうが逆に疲れるんやわ」 (C)netkeiba.com

佑介 ホンマですか!? やっぱり慣れなんですかねぇ。僕は和田さんとは逆のタイプで、レース間が詰まってるよりも少し空けた方が集中できるんです。まぁ1日10鞍前後を毎週毎週乗り続けたら、和田さんの領域にまでいけるのかもしれないけど。そういえば、(松山)弘平も和田さんと同じようなことを言ってましたね。

──ちなみに、今年の現時点での騎乗数でいうと、802鞍で和田さんが1位、2位は774鞍で三浦皇成騎手、3位が763鞍で松山騎手です。

和田 マツも俺と似たようなタイプやからね。

佑介 弘平いわく、1日10鞍近く乗るなか、勝ち負けの馬ばかりじゃなく、何とかひとつでも上の着順に…という馬が間にいたほうが、集中して乗れるそうです。

和田 わかる。俺もそのほうが仕事の質が深くなる感じがするから。走る馬の場合、こっちがそんなに苦労せんでも走ってくれたりするけど、そういう馬ばかりになると、「力の足りない馬をいいところに持ってくる技量」が磨けへんくなる。だから、俺もやっぱりそこは幅が広いほうがいい。

 そもそも、1日のうちに1番人気馬を何頭も勝たせなアカンジョッキーとは、ちょっと仕事が違うからね。仕事が違えば、何を楽しいと思うかも違うし。

──和田さんは、「なんとか8着までに…」というタイプの馬も、仕事として楽しんでらっしゃるんですよね。

和田 うん、楽しいねぇ。それで5着や3着に持ってこられたときは、厩舎のスタッフがものすごい笑顔で迎えてくれるわけやん。俺もうれしいし、めっちゃテンションが上がる。自信にもなるしね。

土日で20頭は全然平気、“体の再生の仕方”をわかっているから

佑介 体力もそうですが、気力もタフというのはそういうところですよね。いったいどう過ごしたらそんなにタフになれるのか…。ちなみに、調整ルームでは何時に寝てるんですか?

和田 俺、寝るのはけっこう遅いで。

佑介 そうなんですか? 土曜日の夜、5時とか5時半とかめっちゃ早い時間に夕ご飯食べてますよね? そのときすでにパジャマ着てるし(笑)。

with 佑

▲佑介騎手「土曜日の夜、めっちゃ早い時間に夕ご飯食べてますよね?」 (C)netkeiba.com

和田 昼間動きすぎて、夕方には腹が減るねん! その時間に食うもんやから、寝る前にまた腹が減ってしまうんやけど(笑)。でも、我慢しながら、10時とか11時くらいまでは起きてるよ。

佑介 10時、11時に寝るって、僕から言わせれば十分早いですよ。僕は大体2時くらいまで起きてますからね。睡眠時間は、6時間くらいがちょうどいい。

和田 ホンマに!? 俺は大体7時に起きるから、9時間とか10時間とか寝てる…。6時間がちょうどいいなんて、同じ人類とは思えん(笑)。

──その睡眠時間も、和田さんの元気の源かもしれませんね。それにしても10時間は…小学生並みですね(笑)。

和田 5時くらいにいったん起きるの! で、また寝る(笑)。あのね、元気、元気っていうけど、俺だって3日間開催の3日目はさすがにしんどいよ。

佑介 そりゃそうでしょう(笑)。和田さんの場合、3日で約30頭に乗るわけですから。

和田 3日間開催の3日目になると、さすがに体が悲鳴を上げてる(苦笑)。でも、土日で20頭乗るぶんには、全然平気やねん。なぜなら、体の再生の仕方をわかっているから。

佑介 疲れた筋肉の戻し方ですか?

和田 「戻す」というより、「再生する」感じやね。

──マッサージとか整体系ですか?

和田 いや、それだけじゃ無理。やっぱり自分で体を動かしていかないと戻らない。1週間のローテーションができてるんやけど、そのうち2回は京都のジムに行って、疲れを取りながらのコンディショニングトレーニングをやってる。

 俺ね、初動負荷運動だけで生きてるから。筋肉を付けるわけじゃないけど、可動域だけはしっかり1週間で戻しているから、土日の2日間ならフルで乗っても全然平気やねん。

佑介 今、さらっと言いましたけど、京都のジムに週2回通うって、なかなか大変じゃないですか?

和田 いや、そこに行けば体が再生するってわかっているから、もう行きたくて行きたくてしょうがないねん。ほかの用事を断ってでも行きたい。もうね、お願いだから行かせてくれ! みたいな(笑)。

(文中敬称略、次回へつづく)

バックナンバーを見る

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

質問募集

このコラムでは、ユーザーからの質問を募集しております。
あなたからコラムニストへの「ぜひ聞きたい!」という質問をお待ちしております。

「with 佑」とは

JRAジョッキーの藤岡佑介がホスト役となり、騎手仲間や調教師、厩舎スタッフなど、ホースマンの本音に斬り込む対談企画。関係者からの人望も厚い藤岡佑介が、毎月ゲストの素顔や新たな一面をグイグイ引き出し、“ここでしか読めない”深い競馬トークを繰り広げます。

藤岡佑介

1986年3月17日、滋賀県生まれ。父・健一はJRAの調教師、弟・康太もJRAジョッキーという競馬一家。2004年にデビュー。同期は川田将雅、吉田隼人、津村明秀ら。同年に35勝を挙げJRA賞最多勝利新人騎手を獲得。2005年、アズマサンダースで京都牝馬Sを勝利し重賞初制覇。2013年の長期フランス遠征で、海外初勝利をマーク。2018年には、ケイアイノーテックでNHKマイルCに勝利。GI初制覇を飾った。

関連情報

新着コラム

コラムを探す