2019年12月01日(日) 18:00
近年の連対馬の顔ぶれを見てのとおり、桜にもオークスにも直結する2歳女王決定戦。まずは器と素質重視で◎を決めたいレースだ。上位人気で順当に決まる年も多いのだが、波乱になった15年(1人気-10人気-3人気で決着)、12年(5人気-15人気-10人気で決着)、11年(4人気-8人気-1人気で決着)に共通するのは、1-3着馬がその後桜花賞でもオークスでも連対していないこと。G1級が不在の年は波乱になっているのだ。まずはG1級が出走馬にいるのかどうかを見極めたい。ちなみに昨年は1着ダノンファンタジー(1人気)、2着クロノジェネシス(2人気)で平穏だった。(解説:望田潤)
ヴィースバーデン
シグナライズの半妹で、母ワイルドココはパークヒルS(英G2・芝14F)に勝ちヴェルメイユ賞2着。母母ワイルドサイドはオイロパシャンピオナート(独G2・芝2400m)勝ち。3代母ワイルドロマンスは独2歳女王。母父シロッコはモンズンの代表産駒で独ダービーやBCターフなどに勝った。揉まれ弱さのある中距離血統だから多頭数のマイル戦は不安が先立つ。小柄な牝馬だし、少し長い目で成長を見守りたい。
距離○ スピード○ 底力◎ コース○
ウーマンズハート
デザートストームの半妹で、母母ビールジャントはラッキーナイン、ティーハーフ、サドンストームを産んだ短距離の名繁殖。本馬はハーツクライ×シャマーダル(仏ダービー、仏2000ギニー)だから中距離血統というべきだが、この母方の影響で体型は半分マイラーかなという印象で、牝馬同士ならば2000まで守備範囲か。ナスペリオン的な斬れが武器で、新潟外回りの連勝を見てのとおり大箱マイルは合っている。
距離◎ スピード○ 底力○ コース◎
エレナアヴァンティ
ミエノドリーマーの全妹で、ヒラボクインパクトやダノンエレガントの半妹。母ドリームカムカムはオープン特別3勝(いずれも芝1200)の活躍馬。3代母デュネットは仏オークス馬でフレンチグローリーの母。アドマイヤムーン×メジロライアンはムーンエクスプレスと同じで地力と粘りのある配合だが、ファンタジーSはHペースで逃げてバッタリ。ダリア賞のようなケイバもできるはずだが…。
距離○ スピード○ 底力○ コース○
オータムレッド
母母ティッカーテープはアメリカンオークス(米G1・芝10F)などに勝った。母ティッカーコードはストームキャット≒チャペルオブドリームズの3/4同血クロス4×2とロベルト4×4を持つ。母方の影響が強い体型だが、父ワールドエースからはハイペリオン的な粘着力も受けている。大箱マイルは合っているが、・・・
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望田潤
競馬ライター。血統評論家。育成牧場従業員を経て競馬通信社編集部に在籍、そこで笠雄二郎著「日本サラブレッド配合史」の影響を強く受ける。サイト「血統屋」「競馬道ONLINE」月刊誌「サラブレ」「ECLIPSE」などで血統に関するコラムや予想を執筆中。共著「パーフェクト種牡馬辞典2018-2019」も好評発売中で、馬主・生産者の配合アドバイザーも務める。ブログ「血は水よりも濃し」http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo
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