2020年02月01日(土) 12:00
冷たい風に身をさらしてふるえている春を待つ花。石ころや枯れ葉に身を寄せるようにして咲いている。少しでも暖かい陽射しになればと、心はそっちに行く。今ごろの季節の花に出会うと、ちょっと違ったよろこびがあるものだ。この先にあるものはと、そんな期待に思いが及ぶ。名のある花、名の知れぬもの、どれもが春を待っている。
それは、ちょうど今どきの重賞と同じと言っていい。どれもが、名が知れていようといまいと、この先を見つめている。だがそこには、確実にその存在を示せるものとそうでないものとが混在している。背負っているものが異なるのだが、私どもの多くは、これから名を成していけそうな方に心が動き、その戦い方に注目してしまう。
シルクロードSは、この先の高松宮記念を見すえているものが多いが、もとめられていたスピード能力がこの馬場で少し変わってきた。今年は、何が何でも一人旅をと言っているモズスーパーフレアがいるので、ハイペースは必至。ハンデ戦になってから、毎年人気薄が上位3着までに入っているので、そこをヒントに遊んでみることにした。
当然、勝たなければこの先はない。55キロまでの末脚勝負の馬、坂のあるコースで大敗を喫していたものとなると53キロのエイティーンガールを。前走が2馬身半差で圧勝した4歳牝馬で、今度調教師に転向する四位騎手に思いを込めてみた。
力のいる馬場が合っていると言えば、55キロのアウィルアウェイがいい。前走の京阪杯4着のときの474キロは、それまでの最高馬体重。パワーアップしての55キロなら得意の末脚を発揮できる。
異色では、デビューから一貫して6Fを走ってきたディアンドルを。55キロ、圏内に入れたい一頭だ。以上全て4歳牝馬、このトリオに幸あれと願ってる。
もうひとつの重賞、根岸S。ダートの短距離戦で東海Sに続くフェブラリーSの前哨戦だが、先行勢はよほど力がないと苦しい。昨年中山のカペラSを勝ってここも勝ったコパノキッキングが、今年も同じローテーションで連覇を狙ってきた。先の展望のひらけている馬なのでこれは別格。
このレースは東京コースだから、だいたいが差し脚の決まるスタミナ勝負になっている。距離を短縮してここにのぞんできた馬がいい。秋の武蔵野Sが参考になり、ワンダーリーデル、ダノンフェイスの両7歳馬のキャリアと末脚に興味がわいている。若い馬では、折り合いに成長を感じる4歳馬ワイドファラオを少し。
春を待ち、ようやく名を成す花を探す夢にかけてみたい。
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長岡一也
ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。
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