【桜花賞】3戦3勝で桜花賞馬となったデアリングタクト

2020年04月13日(月) 18:00 75

みんなさかのぼると19世紀後半の牝祖が同じ

 雨の重馬場を制したのは、もっとも少ない戦歴2戦2勝で挑戦したデアリングタクト(父エピファネイア)だった。種牡馬エピファネイア産駒の重賞勝ちは初めて。それがGIだったからすばらしい。自身と同じようにビッグレース向きの大物を輩出するサイアーとして成功するのだろう。

 サンデーサイレンスの血のクロスを持つ馬はあふれるように出現しているが、クラシックを勝った馬はデアリングタクトの「サンデーサイレンスの4×3」が初めてだった。

 1番人気レシステンシア(父ダイワメジャー)の牝系は、もう一世紀以上も南米アルゼンチンで発展したことで知られるが、デアリングタクトのファミリーもちょうど一世紀前からGB→USA→ARG→CAN→USAを経た牝系。「6、7、8」代前の母はARGで育った牝系だった。2016年の日本ダービーを1着、2着したマカヒキ、サトノダイヤモンドの牝系がともにアルゼンチンで発展した牝系として話題になったが、今年は桜花賞がアルゼンチン育ちのファミリー出身馬のワン・ツーとなった。

 ファミリーナンバーという分類は、サラブレッドの創世記から長い時間が経過し、世界共通の牝系やサイアーラインが枝を伸ばしている現代ではもうあまり意味を持たないと考えられるが、デアリングタクトの牝系は、同じように「GB→ARG→」の移動を経たあと日本で脚光を浴びることになった点で、150年ばかりさかのぼるとマカヒキと同じ牝祖をもつ同じ「1号族-l」という区分になる。

 3戦3勝で桜花賞馬となったデアリングタクト・・・

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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