2020年06月01日(月) 18:00 90
圧倒的な1番人気に支持されたコントレイル(父ディープインパクト)の、決定的な3馬身差の完勝だった。2007年ウオッカが「3馬身差」。2005年ディープインパクト、1998年スペシャルウィーク、1994年ナリタブライアンの3頭が「5馬身差」で勝っているが、近年の良馬場ではこういう着差はめったにない。
コントレイルは、落ち着き払っていた。日本ダービーの1番人気馬は、ふつうは存在をアピールするくらい気迫を前面に出すことが多い。しかし、無観客、レースの重要性を分かっていないのかと映るほど静かだった。品性あふれる身体つきは、逆に非力な幼ささえ思わせたが、これこそディープインパクトの真価。時おり見せる眼光だけはどの馬より鋭い。
競走時のディープインパクトは、他馬のオーナーに「そんなに抜けた存在とは思えないのだが…」と、レースのたびに嘆かせる少年のような存在だった。ミニ父ディープインパクトは何頭も輩出したが・・・
柏木集保
1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。