2020年07月04日(土) 12:00
季節の移り変わりを思わせる重賞レースがある。その中でもラジオNIKKEI賞は、盛夏の訪れが近いことを告げている。それと同時に、その先にある秋へのステップアップをめざすというテーマも見えてくる。
時の流れを体系づけた暦には、適確に季節を掴む知恵がつまっているが、夏至(げし)から十一日たった5日間を半夏生(はんげしょう)と言っている。今年は7月5日までがこれにあたる。因みにこのあとは土用で、うなぎを食べることになっている。この半夏生は、どくだみ科の多年生植物の名前にもなっていて、ちょうど今ごろ白い穂のような花をつけ、同時に上の方にある葉の下半分が白く化粧をしたようになっていて、見つけやすい。ラジオNIKKEI賞と半夏生、ちょっと気にしてみたい。
この重賞レースで、白い穂状の花を咲かせて、その存在を秋につなげていく新星の誕生に期待したい。
2006年からハンデ戦になり、キャリアの浅い3歳馬のレースだから一層難解の度を深めてきた。トップハンデは14年間で2頭が勝っただけ。福島の芝1800米は小回りでコーナーが4つあり、最後の直線が短いため各馬が早目に仕掛ける。全体に速い流れになるから、それに対応できる粘り強さがもとめられる。流れに乗って持続力を生かせるものが有利だ。逃げ馬は、この10年で3年前、53キロの8番人気ウィンガナドルが最内で粘って2着に入ったのがあるだけ。先行、差し、追い込みとまんべんなく連対を果している。
これまでステップレースで目立っていたプリンシパルS、白百合S、NHKマイルC組が今年は一頭もいないことと、前走逃げ切った馬が5頭もエントリーしているので、そのあたりを深堀りしていくのが大切になった。
牝馬の活躍が今年は目立っているが、ラジオNIKKEI賞に限り、これまでは極端に苦戦してきた。オークス8着だったダイワドレッサーが4年前に53キロで2着に入った以外、全く上位に来ていない。だが、久々に今年はこれに逆らってみたい。
脚元が弱くデビュー2戦はダートを走り、芝に転じて先行、差しで連勝したパラスアテナを。いずれも最速の末脚で、52キロで武豊騎手だから狙ってみたい。牡馬では、これからキャリアを積んで行くものの中から、まずキズナ産駒のルリアン。骨折による長期休養から復帰して2連勝、雄大な走りで将来性がある。
それと、この春にデビューして2戦2勝のグレイトオーサーを。自在性がありそうな馬だ。あとは、スピードがあり堅実なサクラトゥジュールと、福島でデビュー勝ちしたコンドゥクシオン、小回り向きの馬だと思われる。ここからタイトルに届く馬が出ることを願いたい。
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長岡一也
ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。
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