【越後S予想】雨で高速決着になれば“レコード”ホルダーの出番

2020年07月24日(金) 18:00

揉まれると危ういがハナかばらけた番手なら

 今週からの3週間は新潟と札幌だけの変則開催。急に北海道へは遠征できないので、多くの関西馬もそうだが、新潟に出走したい。3勝クラスの「越後S」はフルゲート15頭を大きくオーバーし、除外馬が18頭もいた。もっと大変なのはもう時間がない3歳未勝利戦で、土日ともに多数の除外馬が続出している。

 今年は地域による雨予測がとくに難しいが、今週末は新潟の天気予報も良くない。水はけがいい場所なので芝が重馬場になるケースはめったにないが、ダートは含水率が高ければ、時計はきわめて速くなる。

 人気の1頭、マラードザレコード(父Pivotalピヴォタル)がダート1200m1分09秒1の新潟のコースレコード(JRAレコードと0秒4差)を記録したのは、昨年10月の2勝クラスの特別戦だった。その中身は「33秒1-36秒0」=1分09秒1の猛ペース。さすがに最後の1ハロンは「12秒6」と鈍ったが、1000m通過は56秒5だった。ダート1000mは下級条件が中心なので比較できないが、JRA記録は56秒9(小倉)。

 マラードザレコードはそのあと3勝クラスで大敗が続いたが、前走の新潟で3着に盛り返し、これで左回りのダート1200mに限定するなら【2-2-1-0】。ブリンカー装着馬だけにもまれる展開になると危ないが、ハナか、ばらけた2-3番手なら勝ち負けだろう。

 そのマラードザレコードの快記録の「妙高特別」に出走して、自身の前後半バランス「33秒5-36秒2」=1分09秒7で3馬身半差の2着だったのが、今回も対戦するシスル(父ノボジャック)。もう1頭は「33秒2-37秒6」=1分10秒8で、12着に失速したロンドンテソーロ(父Exceed and Excelエクシードアンドエクセル。その父デインヒル)だった。

 あの時のロンドンテソーロは、新潟ダート1200mでは有利ではない内枠4番(中山ダート1200mと同じ理由)で、外の11番マラードザレコードにハナを譲る形になり、2番手で伏兵と競り合う非常にきびしい展開だった。今回は外の15番でハナに行ける可能性大。成長中の4歳馬。近走の内容から妙高特別当時のロンドンテソーロではない。逆転もある。

 シスルの妙高特別は、前半は競っていた2番手集団から一旦控えるように下がり、インから盛り返している。勝ちみには遅いが、1200mなら崩れないのがこの馬。休み明けは苦にしないタイプでもあり、差のない3番手としたい。

 次いで、まだキャリア5戦3勝のため、高速ダートに必要な時計の裏付けはないが、直前の好調教が目立ったジェネティクス(父サウスヴィグラス)に要注意。本質は典型的なスピード型と思える。一族(母のいとこ)のユビキタスは2008年のユニコーンSを独走している。3代母ハッピーガーランド(父フリートウイング)の全兄には、安田記念などのハッピープログレスがいる。

 穴馬は、藤田菜七子騎手と手が合う【1-2-0-0】エアコンヴィーナ(父ヴァーミリアン)。行く馬が多くなれば4走前のように差す形も取れる。

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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