ラジオたんぱ杯2歳S

2005年12月23日(金) 12:49

 年ごとにこのGIIIの重要度は高まっている。2歳馬のデビューが全体に少し早くなり、早いうちから1800〜2000mが増えてきた。クラシックを展望するグループは、それはGIの朝日杯FSには魅力は大きいものの、1800mや2000mから出発して、1600mのGIに出走するのはリズムを崩す危険もある。たとえば有馬記念のディープインパクトは、出走はすべて2000m以上。ハーツクライも、タップダンスシチーも1600m以下には出走したことはない。ゼンノロブロイもデビュー戦の1600m以外は、すべて2000m以上に出走している。

 重要度が高まると同時に、レベルも高くなってきた。札幌2歳Sのアドマイヤムーンは、1分50秒4の楽勝でもう早くから路線に乗っている。ここが目標だった。

 出世レースのエリカ賞2000mを勝ったサクラメガワンダー(サクラチトセオーの一族)も展望がひらけた。不振のピルサドスキー産駒にしては珍しく光っているチェリーストームも、新馬圧勝のニルヴァーナも将来性十分。関東から遠征のマチカネゲンジ、マイネルスケルツィも才能十分だろう。勝ちっぷり、あるいはレースの内容しだいで、朝日杯組を上回るような評価を受ける馬の出現に期待したい。

 中心は、ニルヴァーナとする。まだ新馬を勝ったばかり。それもスローで単騎逃げ。2分05秒1も平凡で、光ったのは楽々と最後の1ハロンを11.8秒でまとめた点ぐらいだが、好馬体が光った。

 上のゴールドアリュールは2勝目に時間がかかり、それものちに頭角を現すダートだったが、この一族、ダートの方がいいというわけではない。アリュールにはダービー5着もある。太めをひと叩きしたあとの今週の芝での追い切りが圧巻だった。軽い芝とはいえ最後は楽々と34.4-11.4秒。スピード能力十分だろう。例年、速くはならない。前走と同じように先行策を取ってくれると、まず簡単にバテる馬ではない。

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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