2020年08月28日(金) 18:00 13
珍しい少頭数のオープン特別。有力馬を絞れるようでいて、各馬のハンデ「54~57キロ」が示すように大きな能力差のない組み合わせ。新潟ダートの経験があるのは、1勝クラス当時のアポロテネシー【1-0-1-0】と、昨年夏のレパードSを差し切り勝ちしているハヤヤッコ【1-0-0-0】の2頭だけ。決して盛り上がるレースではないが、ダート1800mになって過去7年、昨年の3連単13万円台など、意外に難しい結果が珍しくない。
なんとか復活のきっかけをつかもうと、7戦連続して異なる騎手で、違う距離に出走している6歳ブレスジャーニー(父バトルプラン)に期待したい。
父バトルプラン(同じ年から供用された父エンパイアメーカーは再輸出され今年1月没)は、新潟直線1000mのライオンボス、東スポ杯芝1800mを制したこのブレスジャーニー、公営大井でダート8勝のモジアナフレイバーなど、産駒に共通性がなく、意外性のある種牡馬。
3代母は、近年の日本の代表的ファミリーの頂点に立つダイナカール。
初めてダートに挑戦したのは今年2月のアルデバランS(京都ダート1900m)。結果は3着だが好位につけてしぶとくがんばり、1分58秒3(上がり36秒9)。今回も対戦する前出の4着アポロテネシー(4着)、同じくハヤヤッコ(10着)には先着している。オープンで初ダートはたいがい大苦戦だが、予測以上に高いダート適性があった。
前回は初の小倉、スタートで出負け、もまれる内枠などの不利が重なって11着凡走だが、ダート2戦目だった3走前のオアシスS(東京ダート1600m)では、芝からスタートで出負けし、終始インでもまれ通しの展開ながら、1分36秒5(上がり36秒2)。7着とはいえ、勝ち馬から0秒6差だった。
目下絶好調で、ここが狙いの一戦、という馬のいない組み合わせ。調教は平凡だがもともとウッドの坂路では動かない。手ごろな頭数で、幸いもまれる心配のない外枠。初ダートだった5走前、3走前のレースが再現できれば、ハンデ55キロなら差はないはずだ。
底をみせていないロードブレス、得意の新潟(芝、ダートで2戦2勝)のハヤヤッコ、好調ハイランドピークが強敵だが、波乱とみればB装着で初ダートのグローブシアター(母シーザリオ)、追い切り平凡で人気落ちのアポロテネシーなどにも手を広げたい。
柏木集保
1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。