2020年09月18日(金) 18:03
先週、秋の開幕週の中京は速かったが、比べてクッション値「やや硬め」は少し高かったのに、中山の芝はタフなコンディションだった。良馬場の京成杯AHが1分33秒9。追走が楽なペースになったうえ、レース上がりが「35秒6ー12秒2」と鈍ったのに、追い込みは不発。切れの生きる芝ではなかった。
あまり芝丈を短くせずにクッション値を理想の範囲に保つ設定なのかもしれない。例年より1600mで「1.5-2.0秒」くらい時計のかかる芝コンディションだった。
急に変化する理由はなく、先週と同様の芝と考えれば、先行力を備えた馬の方が有利。行く気になれば単騎の逃げも望めるマイネルズイーガー(父アイルハヴアナザー)の狙いが立つ。父の産駒はちょっと期待外れだったが。2018年に帰国したあと産駒が走り始めている。サイアー総合ランキングは2018年以降「36→21→19」位。少しタイムを要すると芝でも快走する産駒が増えている。
マイネルズイーガーの母マイネカンナの半兄は、6歳時に天皇賞(春)を制したマイネルキッツ(父チーフベアハート)。7歳時に日経賞を制し、8歳暮れにステイヤーズSを勝ったほどタフだった。しぶとい成長力を誇る一族であり、6歳マイネルズイーガーもまだこれからもうひと回り成長して不思議ない。
前走の洞爺湖特別(2勝クラス)1800mは1分46秒3。3馬身差の逃げ切り。開幕週だったこともあるが、巴賞などを上回りこの夏の函館1800m(19R)中のトップ。ほかに1分46秒台の記録はなかった。直前の動きも力強く絶好。1番枠から丹内騎手が強気に行ってくれるはずだ。
ミヤビパーフェクト(父ルーラーシップ)もきわめてタフな牝系出身。半兄ミヤビランベリはしぶとさを全開させた6歳時に、GII目黒記念など重賞を3勝もしている。兄と同様、この馬も時計のかかる渋馬場巧者なので、今季の中山は合っている。けっしてほめ言葉にはならないだろうが、113戦未勝利で8歳まで高知で走ったハルウララとはいとこ同士。タフであることは間違いない。祖母ピアレスレデイはターコイズSを制したオープン馬であり、3代母イーストサイドも6勝もした活躍牝馬。中山コースが合っていた。
目下2連勝の注目馬ドナアトラエンテ(父ディープインパクト)は1800m専門に【3-2-1-0】。崩れていない。とても評価下げはできないので、この3頭の組み合わせを本線に、マイネルズイーガーから薄めにも流したい。
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柏木集保
1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。
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