【オールカマー予想】多少ハイペースでも「内&前」が粘れる馬場

2020年09月26日(土) 19:00

毎週欠かさず馬場に関する情報を収集し、自身の予想に反映させるというスポーツニッポンの“万哲”こと小田哲也記者が、“予想に役立つ馬場情報”をコンセプトに、重賞が開催されるコースについて、当週の降水量・前日のレース結果等を踏まえた主観的意見から、よりライブな馬場状態を解説する。

 中山の芝は先週までのBコースから、内柵を3m外に設置したCコースを使用。柵の移動で内寄りの傷みはかなりカバーされたが、今週は週中も雨が降り、前2週以上に雨の影響を受けている。土曜は「小雨」と「曇」を交互に繰り返し、芝は稍重で終日行われた。土曜午前7時測定のJRA発表のクッション値は「9.7」(標準)。ただ、土曜の日中も雨が降ったことと、千葉県船橋市は土曜深夜まで雨予報が出ており、軟らかい方向に移行する可能性もある。

 雨の影響もあって、前2週同様に時計の掛かる傾向は続いている。ただ土曜に限れば、良発表だった21日のセントライト記念当日(レース前夜に雨を記録)と似たような時計の出方。2000m換算で通常の良馬場時よりは約2秒は時計を要している。

 土曜は、芝競走は6鞍。勝ち馬の最終4コーナーの位置は「1番手、5番手、9番手、6番手、1番手、6番手」。逃げ切り勝ちの2頭は、いずれも外回り1200m戦。1R・2歳未勝利戦は前半3F34秒3で飛ばした3番人気ルミナスラインが、自身の上がり3F35秒9の前傾ラップで押し切った。勝ち時計1分10秒2。9R・カンナSは前半3F34秒2で逃げた3番人気オールアットワンスが上がり3F35秒7でまとめて2連勝。勝ち時計1分9秒9。柵の移動で内の傷みが軽減された分、多少ハイペースでも「内&前」の利で粘れる。

 ただ、今週の中山は展開次第で差しも届いている。5R・2歳新馬戦(外回り1600m)は逃げたセイウンスノーがレース前半3F34秒0(同後半3F38秒3)で引っ張り、新馬戦にしては珍しいHペース。最終4コーナー9番手から5番人気シゲルオテンバが届いたのは展開も影響している。

 日曜のメイン・オールカマーは、長期休養明けでどこまで行けるか微妙な点はあるが、ジェネラーレウーノの逃げ想定。ステイフーリッシュ、カレンブーケドールが続き、Sペースと見るのが妥当か。こうなると、完全な外差し馬場でもないため、前に行ける馬が有利に映る。土曜夜の雨量次第では「2分13〜14秒台」と例年より遅い決着になりそう。

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小田哲也

スポーツニッポン新聞社記者。コラム「万哲の乱」担当。04年天皇賞・春のイングランディーレ(10番人気)、09年天皇賞・春のマイネルキッツ(12番人気)、同年菊花賞のスリーロールス(8番人気)など長距離G1の本命馬激走多数。15年は宝塚記念で3連単52万馬券がヒット。馬券相性は京都、阪神が良く、中山はダート1200メートルがとにかく好き。

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