2020年12月18日(金) 18:00
重賞に昇格して第一回の2015年、いきなり「11、16、15」番人気の1-2-3着が飛び出した牝馬同士のハンデ戦。オープン特別当時から波乱の多いレースだった。
マトは絞りにくいが、世代交代の進むこの時期だけに、主軸は比較的ハンデに恵まれ、かつ、上昇カーブを描いている若い「3-4歳馬」だ。重賞に昇格するまでを含めた過去10年、3着以内に好走した30頭のうち、「23頭」が3-4歳馬。5歳以上は「7頭」にとどまる。
変わらず元気の実力馬でも、5歳馬で、ハンデ頭の57キロ(これまで自身の経験は55キロまで)を課せられたトロワゼトワル(父ロードカナロア)はちょっと危険と思える。
前走、LレースのカシオペアS1800mを1分46秒1で快勝した4歳馬ランブリングアレー(父ディープインパクト)から入りたい。2着に下した4歳牡馬ボッケリーニは先週12日の中日新聞杯を勝ち、3着だった4歳牡馬ヴァンケドミンゴは、11月15日の福島記念をクビ差2着している。
この1年間【4-1-0-1】のランブリングアレーは、まだ2戦1勝馬だった3歳春、休み明けで中山のフラワーCに挑戦し、コントラチェックの0秒4差の3着している。結局、クラシックには出走できなかったが、早くから注目の期待馬だった。
母ブルーミングアレーの1歳下の半弟トーセンラー(父ディープインパクト)は、さまざまな距離に対応し、GI制覇は2013年のマイルチャンピオンS。さらにその弟スピルバーグ(父ディープインパクト)は2014年の天皇賞(秋)を差し切って勝った。
この姉弟(きょうだい)の兄になるのは、2005年の米G1トラヴァーズSなどを制したFlower Alleyフラワーアリー。種牡馬フラワーアリーは、輸入されたケンタッキーダービー馬アイルハヴアナザーの父であり、次週の有馬記念で引退予定の5歳牝馬ラッキーライラックの母の父に登場する。
距離1600mは新馬の1勝を含み【1-1-0-1】にとどまるが、2着は2歳秋2戦目の白菊賞の1分33秒9。0秒3差で勝ったのは翌春のオークス馬ラヴズオンリーユーなので、敗戦というより快走としていいだろう。
いま本物になったばかりなので、ハンデは55キロにとどまった。初重賞制覇の絶好のチャンスだろう。
同じ4歳のアンドラステ(父オルフェーヴル)は京成杯AHを1分34秒5の10着だが、再三つつまれて下がり、ほとんどレースに参加していないので、今回の特注馬。先行してしぶとい3歳スマイルカナ、順調さを欠いたが巻き返して不思議ない4歳フェアリーポルカ、好枠の3歳馬シャインガーネット、絶好調ビッククインバイオ、4歳ドナウデルタ以下、波乱の多いレースなので相手は手広くいきたい。
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柏木集保
1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。
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