2020年12月23日(水) 18:00 17
いよいよ、今週末が2020年最後のJRA開催となります。コロナ禍の中で様々なことが中止や延期になる中、中央競馬に関しては無観客ではあるものの、滞りなく予定通りに開催をすることができました。これには関係者の努力があったことは間違いありません。ただ、お客様がしっかりと馬券を買ってくださることで「競馬開催の意義」を示すことができたということも大きな要因だと考えています。
さあ、有馬記念。ファン投票では牝馬が1位2位と、まさに今年のGIを象徴するような人気です。ここに牡馬が一矢報いるようなレースを見せるのか、それともやっぱり牝馬が強いのか。来年のクラシックが楽しみになるホープフルSとともに最後まで目が離せないレースが続きます。
【阪神C/インディチャンプ】
前走マイルCSは一頓挫があっての休み明け。それでも2着した実力はさすが昨年のマイル王です。それがしっかり評価されているからこそ、今回も予想オッズの時点で単勝1倍台の支持を受けています。中4週になりますが、追い切り本数はちょっと少なめ。でも、坂路での1週前追い切りはしっかり動けています。
デルマカトリーナとの併せ馬でしたが、4F目標識手前ではすでに抑え切れない手応え。その後は右寄りの走りになっていますが、これは前方に走っていた他厩舎の馬との距離が近くなることを避けてのこと。あれだけの差があったにもかかわらず、福永祐一騎手がそういった動きを見せたということは、それだけ手応えがあったと判断してよいと思います。やっぱり一度使った方が良くなる馬、そういうことだと思います。
【ホープフルS/ダノンザキッド】
2連勝してのGI。距離は1800mでしたが、ワンターンのレースということもあり、中山芝2000mのコーナー4つを不安に感じる方もいるでしょう。しかし、普段からトラック馬場でキャンターを2周行ったり、今後の路線を見据えた調整が行われています。中4週ですが、坂路とCWを併用して、しっかりと本数も乗り込まれており、調教内容としては文句なしといってよいと思います。
あと、主観的な部分で解説しておくと、デビュー前やデビュー戦は手前の替え方にぎこちなさがあり、この状態だとコーナー4つの舞台は不向きだろうと思っていました。しかし、これに関しては2週前追い切り、1週前追い切りのCWでの動きを見るかぎり、全く不安がありません。むしろ1週前は仕掛けてからの反応が抜群ですし、左手前での走りに力強さがあります。あえて死角を探せば、・・・
井内利彰
調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ