2021年01月23日(土) 12:00
年が改まると、新旧勢力の対決が古馬重賞レースのひとつのテーマになる。特に、アーモンドアイをはじめ、ラッキーライラック、ノームコアといったターフを席巻していた現6歳牝馬世代のトップクラスが去り、加えてフィエールマン、サートゥルナーリアといった牡馬のタイトル馬も引退した今年は、新たに加わる4歳勢にどうしても注目が集まる。
今のところ、牝馬のGIII戦愛知杯で、秋華賞2着馬マジックキャッスルがシャープな末脚で重賞初制覇、ヴィクトリアマイルを目標にと言われている。昨年三冠レースで敗れたデアリングタクトにどれだけ肉迫できるか、12キロ増と成長した馬体で、少しでも厩舎の先輩アーモンドアイに近づくことを期待したい。
他の東西の金杯、日経新春杯とも5歳馬が勝っているが、中でも格上挑戦で日経新春杯を勝ったショウリュウイクゾと若手の団野大成騎手の人馬の重賞初勝利は、新年にふさわしい話題と言っていい出来事だった。
これまでの4重賞は全てハンデ戦だったが、今週のアメリカJCCは別定戦、加えて中山の2200米、今後の中長距離路線を考える切っ掛けとなる。特に、昨年誕生した2頭の牡牝の無敗の三冠馬と戦った4歳馬の出走は、有力馬だけに大きな焦点になる。
アメリカJCCでの4歳馬の存在は、以前より大きくなってきた。2017年以降の4年間で9頭が出走し、1勝2着3回、3着2回で、馬券圏外は3頭だけ。多くが菊花賞を戦っているが、中でも2年前の2着馬フィエールマンは菊花賞を勝ってから3ヶ月の休養をとり、ここからさらなる出世の第一歩を踏み出していた。春の天皇賞連覇だから、中長距離路線を考える典型的な例と言える。
以前から中山のコース適性、特に2200米や1800米のスペシャリストの活躍が全般に目立っていることと、スタートしてからスタンド前の長い直線を走るのでペースが上がらず、先行馬が有利で、斬れより持続力のある馬が有利と見るのが一般的だが、ここで4歳馬が上位の成績を収めると世代レベルまで言及しなければいけなくなる。
その4歳の菊花賞組では、中山で弥生賞勝ちがありこのコースでの良績があるサトノフラッグ、コントレイルとクビ差の接戦を演じたアリストテレスの2頭が上位だ。ダービーで3着したヴェルトライゼンデは、このぐらいの距離ならよさそうだ。それほど切れる方ではないので中山では悪くない。
この3頭に、中山3戦2勝でオークス2着のウインマリリンが牝馬53キロを味方に粘り込みを企ることも考えておきたい。年上馬では、中山で安定している昨年の2着馬ステイフーリッシュと3着馬ラストドラフトの2頭で、骨太の顔ぶれなのでそれほどの波乱はないと見ておく。最近は、特に信頼度は増している重賞だと思う。
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長岡一也
ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。
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