2021年02月08日(月) 18:00
・2/7 東京新聞杯(GIII・東京・芝1600m)
好位を追走したカラテが直線で馬群を割って抜け出しました。昨年12月に2勝クラスを勝ってからわずか2ヵ月で別定戦の重賞を制覇したのですから驚きです。
父トゥザグローリーはキングカメハメハ産駒で、現役時代に京都記念など5つの重賞を制覇。有馬記念では3着と好走しています。産駒の重賞制覇はこれが初めてです。2代母レイサッシュはステイゴールドの半妹で、3代母ゴールデンサッシュはサッカーボーイの全妹。ロイヤルサッシュにさかのぼるこのファミリーは、馬体を小さく出すという特徴があるので、フレンチデピュティ、トゥザグローリーと、雄大な馬格を伝える種牡馬を2代連続で交配したのが正解だったのでしょう。
カラテ自身の馬体重は530kg。小さくても走る血統で馬体が大きく出たのですから破壊力があります。今回は直線で前が詰まって進路を替えるロスを克服しての勝利。まともなら楽に勝っていたはずです。安田記念が楽しみになってきました。
・2/7 きさらぎ賞(GIII・中京・芝2000m) 好位を追走したラーゴムが残り300mで先頭に立ち、大外から飛んできたヨーホーレイクをクビ差抑えました。父オルフェーヴルは昨年11月以降、JRAで4ヵ月連続7回目の重賞制覇となります。
母シュガーショックはアメリカでダート8.5ハロンのGIIIを勝った活躍馬。母の父キャンディライドはアルゼンチンとアメリカで6戦全勝の名馬で、種牡馬としても2017、18年に北米種牡馬ランキングで2位となるなど成功しています。母方にフォーティナイナーを持つオルフェーヴル産駒なので、ラッキーライラック(大阪杯などGIを4勝)、エポカドーロ(皐月賞)と同パターン。前途洋洋でしょう。
オルフェーヴル産駒で、なおかつ母方の血も瞬発力タイプではないので、高速馬場の決め手比べには向いていません。荒れ気味の芝で、レースの上がり3ハロンが35秒6という決着はこの馬向きでした。
・2/14 こぶし賞(1勝クラス・阪神・芝1600m)
登録馬の父のなかで阪神芝1600mに強い種牡馬はエピファネイア。連対率29.3%(41戦12連対)は、2011年以降、当コースで産駒が20走以上した77頭の種牡馬のなかで第1位。当レースには同産駒のシティレインボーとレアシャンパーニュが登録しています。第2位ディープインパクトは連対率25.2%(759戦191連対)。その産駒ヴィアルークスも侮れません。
アメリカンファラオ産駒がいちばん活躍している国は日本かもしれません。JRAで出走した14頭中12頭が勝ち上がり、ダノンファラオとカフェファラオが重賞を勝っています。馬産地へ行くと「アメリカンファラオをどこかの種馬場が導入してくれないかな」といった雑談になったりもするのですが、米三冠とBCクラシックを制覇した歴史的名馬ですから、話は簡単ではありません。そんな状況で飛び込んできたのがフォーウィールドライブの導入。
アメリカンファラオの初年度産駒で、BCジュヴェナイルターフスプリント(米G2・芝5ハロン)、フューチュリティS(米G3・芝6ハロン)の勝ち馬です。母ファンフェアは芝馬で、自身も芝馬ですが、血統的には芝とダートどちらも行けそうな印象で、「アメリカンファラオ×モアザンレディ」という組み合わせはカフェファラオ(ユニコーンS、シリウスS)と同じです。
2月10日に来日し、検疫明けの3月中旬あたりから供用を開始する予定。アメリカンファラオの初の後継種牡馬という話題性、受胎確認後100万円(出生確認後150万円)という手頃な価格から、人気を集めるのは間違いないでしょう。
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栗山求
netkeibaでもおなじみの血統評論家・栗山求氏が血統の面白さを初心者にもわかりやすくレクチャー。前週の振り返りや、週末行われるレースの血統的推し馬、豆知識などを通して解説していきます。 関連サイト:栗山求の血統BLOG
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