2021年07月23日(金) 18:00 11
後世に強い影響を与える名種牡馬は、近年の日本でいえばサンデーサイレンス=ディープインパクト親子がその筆頭。高額賞金のビッグレースを数多くの産駒が勝たないことには、サイアーランキング上位に進出できない。サンデーサイレンスは日本だけで3721勝を記録し、産駒のディープインパクトは現在、全国ですでに3156勝に達する。
一方、全国で破格の勝利回数を誇るサイアーは、必ずしも高く評価されないが、芝だけでなく公営のダートでも多くの勝利回数を誇る種牡馬にも大きな価値がある。
7月22日終了現在、ダートの活躍馬も多かったキングカメハメハは全国で4162勝、同じようにクロフネの勝利数は4326勝に達している。
もっとすごい記録には、2018年に22歳で他界したサウスヴィグラス(父エンドスウィープ)の現在4862勝がある。正確な記録が残る日本の種牡馬の勝利回数では(おそらく)1位ではないかと思われる。最終世代の現3歳世代が118頭も血統登録されているので、たちまち5000勝を突破し、記録はまだまだ伸びるだろう。
サウスヴィグラスは総合ランキングを上げ始めた2010年以降、ダート中心の「公営競馬の種牡馬ランキング」は(今年を含めて)、「3、3、1、2、3、1、1、1、1、1、1、1」位。素晴らしい成績はまだ継続している。
新潟の越後Sには、強力なライバルだったクロフネのほか、ヴァーミリアン、フィガロの産駒がいるが、4歳牝馬シンシティはいかにもサウスヴィグラス産駒らしく、今回のようなダートの短距離戦こそベスト。フルにスピードが生きる。そろそろハナを切れなくても結果を出せるはずだ。
母の父に登場するかつてのライバルだったフジキセキも、その産駒は全国の競馬場で活躍したので、通算勝利数は3663勝に達している。
柏木集保
1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。