2021年09月17日(金) 18:00 10
先週は、良馬場でも中山ダートの時計は速かった。1勝クラスのダート1200mで1分10秒8の好タイムが記録された。今週は中間の雨もあり、一段と時計は速いだろう。
ダート界は、つい3-4年前までゴールドアリュール=キングカメハメハの黄金コンビが『ダート種牡馬ランキング(全国)』のトップを争っていたが、現在ではもうランキングは激変している。
目下の順位は(9月15日現在)、1位ヘニーヒューズ、2位サウスヴィグラス、3位シニスターミニスター、4位ロードカナロア、5位パイロ、6位キンシャサノキセキの順になっている。キングカメハメハも、ゴールドアリュールもすでに上位ではない。
2位のサウスヴィグラスはすでに2018年に22歳で他界し、最終世代は現3歳馬。サウスヴィグラス産駒は、2015年から全国で6年連続して400勝以上を記録し、ダート中心の通算勝利は空前の4897勝に達している。今年中に史上最多の5000勝達成も可能だろう。
中山の初風Sには、そのサウスヴィグラス産駒を中心に、ダート種牡馬ランキング上位馬の産駒が、複数出走する。速い時計の勝負だ。
4歳ベイビーボスは、芝1200mの高松宮記念を2連勝したキンシャサノキセキ産駒。
キンシャサノキセキはダート不出走だが、カネヒキリと同じフジキセキ産駒。さらに母の父はリボー系。非力なスピード系ではなく、その産駒はダートをまったく苦にしない。とくに速い時計勝負になる高速ダートが合っている。
ベイビーボスは、格上がり初戦で、初の芝だった前走を1分20秒7。結果は10着だが、果敢に先行して自身の1200m通過は推定1分08秒5だった。今度は得意のダート1200m。稍重くらいの馬場なら持ち時計の1分11秒1は大幅に短縮できるだろう。
相手に加えたいのは、伏兵クインズヴィヴィ。父Honor Codeオナーコード(USA)は、シニスターミニスターや、パイロと同じA.P.インディ系の種牡馬。オナーコードは8Fの北米ダートG1を1分33秒18で圧勝の星がある。2キロ減の軽ハンデ53キロなら台頭して不思議はない。バーニングペスカとともに相手の本線にしたい。
柏木集保
1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。