2006年03月07日(火) 23:50 0
G1ハリウッドフューチュリティーなどを制して今季のケンタッキーダービーの最有力馬となっているブラザーデレク、G1デルマーデビュータント勝ち馬ワイルドフィット、G1・BCジュヴェナイル2着馬ヘニーヒューズらが昨年のセールから誕生。2歳トレーニングセールのプレミア市場として、その存在感をいかんなく発揮している「バレッツ・マーチ2歳セール」の今年の開催が、3月14日(火曜日)に迫った。当初は3月6日(月曜日)に予定されていた1回めの公開調教が、6日の天気予報が悪く馬場悪化が懸念されたため、1日前倒しの3月5日(日曜日)に、カリフォルニア州のフェアプレックスパーク競馬場で行われた。
2ハロンの最速時計20秒8を叩き出したのが、上場番号17番の父リクタースケールの牡馬。父は現役時代、G1デフランシスメモリアルダッシュをトラックレコードで制したトップスプリンターで、この世代が3世代目の産駒。今年4歳の全兄クワイトアラッカスがカナダでステークス勝ち馬になっているのを筆頭に、これまで5頭の兄姉のうち4頭が勝ち上がっている、子出しの良い母の産駒である。キーンランド・セプテンバーで8万5千ドルでピンフックされている馬だが、この1番時計で果たしてどこまで値がつり上がることになるだろうか。
2ハロンで時計を出した組では、21秒2をマークした上場番号127番の父ストームキャットの牝馬にも、当然のことながら購買者の熱い視線が集まるはずだ。母パレードクイーンは重賞2勝。伯父に日本で走りGIII中日スポーツ賞4歳S・2着の成績があるキングナムラがいる牝系である。キーンランド・セプテンバーで31万ドルと仕入れ値も高く、最高価格馬の有力候補と言えよう。
1ハロンの最速時計となる10秒フラットは、全部で8頭が計時。中でも注目は、上場番号58番の父カーズンシティの牡馬。昨年のキーンランド・セプテンバーで25万ドルという高額でピンフックされた馬で、元々の素材が良く当然のことながら事前の期待も高かった馬だ。叔母にフェアグラウンズオークス勝ち馬マーシュアズエシェロン、従兄弟にG1マリブS勝ち馬ランマンランらがいる牝系と血統的裏付けもあり、これも高値必至の1頭だろう。
プリークネスS勝ち馬ルイカトローズの近親で、1F=10秒2をマークした上場番号22番の父エルコリドールの牡馬、同じく1F=10秒2をマークした上場番号40番の父エルコリドールの牡馬、全米年度代表馬ホーリーブルの姪で、1F=10秒2をマークした上場番号64番の父オリエンテイトの牝馬、同じく1F=10秒2をマークした上場番号93番の父ヘネシーの牡馬、G1ストゥルブS勝ち馬ヴィクトリースピーチの甥で、1F=10秒2をマークした上場番号101番の父クラフティープロスペクターの牡馬らにも、購買者の注目が集まりそうだ。
3月12日(日曜日)に2回目の公開調教が行われた後、3月14日(火曜日)にセール当日を迎える。現場で取材する予定なので、結果は後日このコラムでお伝えしたい。
合田直弘
1959年(昭和34年)東京に生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の製作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬に学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。