2021年12月07日(火) 18:00
6馬身差で圧勝! 松山弘平騎手も笑顔でガッツポーズ (C)netkeiba.com
今年のチャンピオンズCは1番人気テーオーケインズが制しました。鞍上の松山弘平騎手の騎乗を振り返り「スタートを出していい位置につけたところがさすが」と哲三氏も拍手。“スタートが決められるか”がポイントだったという今回のレース、中京1800mのダートで勝ちやすいパターンについても触れながら詳しく解説します。
(構成=赤見千尋)
チャンピオンズカップは1番人気テーオーケインズが6馬身差で圧勝しました。鞍上の松山(弘平)君は完璧なレース運びで素晴らしい騎乗でしたね。厩舎陣営の仕上げもファインプレーで、いいコンタクトを取っていい仕上げをして、最後は松山君が決めるという理想のチームワークだったと思います。
前走のJBCクラシックでは出遅れが響いて4着という結果でしたから、今回もまずスタートが決められるかどうかがポイントでした。返し馬では相当行きっぷりが良くて、抜群のいい返し馬をしていました。行きっぷりがいいというのはスピードに乗って引っ掛かるというのではなくて、騎手が抑えたい、コントロールしたいという気持ちの中で、馬の方がちょっと勝っているというくらいの感覚です。こういう時はゲートが決まればスピードに乗って前に行きやすいので、しっかりゲートを決めたことで楽にいい位置を取ることが出来ました。
プロの騎手として2度続けて同じ失敗を繰り返さないというのは大事。いい状態の中できっちりとスタートが切れたことがまずファインプレーだったと思います。もちろん枠順、枠の並びということもありますが、スタートを決めるというところでしっかり自分の仕事を果たしました。
中京1800mのダートで勝ちやすいパターンはいくつかありますが、その中の一つが5、6番手の内に潜り込むという位置取り。スタートを決めて楽にこの位置に行けたことが一番のファインプレーだったのではないでしょうか。
道中はしっかり流れに乗り切っていましたし、4コーナーは手応え抜群で、突き放す時の脚色が違いましたね。先ほど返し馬ですごく行きっぷりが良かったと言いましたが、それでも折り合いに対して怖がらず、スタートを出していい位置につけたところがさすが松山君です。繊細さもあるけれど大胆な騎乗でした。
「4コーナーは手応え抜群」突き放す時の脚色が違ったと哲三氏 (C)netkeiba.com
こういう強い勝ち方をすると、GI連勝というのも見えてきますよね。ジョッキーとしてもより気を引き締めようという流れになりますし、仕事に集中しやすい環境が出来ているのではないでしょうか。(福永)祐一君もそうですが、松山君も引き続きいい流れに乗れていますね。
初ダートで注目されたソダシは逃げて12着という結果でした。負けはしましたが、ある程度やりたい競馬は出来たと思います。レース後のお話ではフェブラリーSも視野にということですから、今後どんなレースを見せてくれるか注目したいと思います。
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佐藤哲三
1970年9月17日生まれ。1989年に騎手デビューを果たし、以降はJRA・地方問わずに活躍。2014年に引退し、競馬解説者に転身。通算勝利数は954勝、うちGI勝利は11勝(ともに地方含む)。
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