ドバイワールドCデイを終えて

2006年03月29日(水) 23:50

 ドバイでの快挙が伝えられました。ハーツクライの優勝は、去年秋からの充実ぶり、最も適性の高い芝2400mから、遠征9頭の中では1番可能性があると見ていましたが、先行、逃げ切りにはビックリしました。厩舎の大黒柱と橋口調教師が称える鎌田祐一助手が、以前、有馬記念でのルメール騎手のプレイについて、狩猟民族にある動物的勘なんでしょうねと語っていました。シーマクラシックの勝利で、ハーツクライのイメージは完全に一変しました。1頭の名馬が完成されていく姿を見る思いです。

 世界的レベルから見て、日本馬の海外での活躍の場は、とり合えず芝の中距離戦という考え方になりそうです。それは、日本のチャンピオン戦と深い関係にあるようです。今年こそ世界を相手にしたいという橋口師の言葉に、夢が大きく広がります。

 ダートは、世界の壁がまだ厚く、カネヒキリの5着は、好走の部類に入ります。ドバイワールドCでは、トゥザヴィクトリーの2着が最良の成績ですが、先行するスピードがあるか、ないかが課題のようです。

 世界のダート界は、米国が一歩リードしていて、これにUAE勢が懸命に追い上げているのが現状で、UAEダービーでゴドルフィン勢のディスクリートキャットが勝ったことから、ケンタッキーダービーでの米国勢との対戦が楽しみになりました。昨年8月、サラトガで楽勝した同馬をモハメド殿下が購買し、将来にそなえた成果が、今年見られるかどうか。とにかくゴドルフィンは意欲的です。

 ここで3着と好走した日本のフラムドパシオンの今後がどうなるか。武豊騎手が言うように、3歳のこの時期での好走は光ります。やがて、ブリーダーズカップで日本勢が活躍できる日が来ることを念願しますが、ディスクリートキャットの動向から、それを計ることができるのは嬉しいことです。GIIクラスでは通用するのはユートピアが証明しているのですから。

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長岡一也

ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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