2022年02月12日(土) 19:00 18
前回2月6日のWIN5は17万5580円の低額配当決着。優勝馬5頭のうち、単勝1番人気だったのは1レース目の瀬戸Sを制したハヤブサナンデクン(単勝オッズ2.3倍)のみでしたが、5頭とも単勝オッズ6倍未満の支持を集めていました。
この連載で繰り返し指摘してきた通り、上位人気馬ばかりをピックアップした組番は過剰に売れてしまいがち。単勝支持率通りに残り票数が減っていったと仮定した場合の配当理論値は約22万円で、実際の配当はその8割弱にとどまっています。数百円~数千円の投資で的中させたプレイヤーにとっては悪くない払戻金額だったと思いますが、前回のような決着で妙味ある配当になる可能性はほとんどありません。
一回あたりの購入金額を数百円~数千円にとどめるとしても、トータルでの収支がプラスとなる可能性を少しでも高めたければ、1頭以上は人気薄の馬が絡むような組番を狙いたいところ。もちろん、この方針で臨むと的中頻度はほぼ間違いなく下がりますが、「いつか妙味ある配当が引っ掛かればそれで良い」と割り切ることさえできれば、他のプレイヤーよりも有利な立場に立てるはずです。
明日2月13日のWIN5は総出走頭数が71頭、総組み合わせ数が53万5392通り(土曜12時現在)。終盤の2重賞が少頭数なので、買い目を絞り込みやすいのではないでしょうか。
【2022年02月13日発売分の1点予想】
阪神10R 5.アルーブルト
東京10R 4.ケイアイターコイズ
小倉11R 3.ロードベイリーフ
阪神11R 6.ユーバーレーベン
東京11R 2.アサヒ
【1レース目 加古川S(阪神10R)】
ほぼ同じ条件で施行された2021年の加古川Sは、3頭しか出走していなかった4歳馬がそのまま1~3着を占めました。キャリアの浅いラヴネヴァーエンズはともかく、スズカデレヤをはじめとする5歳以上の馬は過信禁物と見ておいた方が良いかもしれません。
馬齢が4歳なのはホッコーハナミチ・ベルゼール・アルーブルト・レプンカムイの4頭。コース替わりがプラスに働きそうなアルーブルトは素直に信頼して良いと思います。
【2レース目 バレンタインS(東京10R)】
外寄りの枠に入った馬は不振。「馬番が10~16番の馬」は2017年以降[1-1-1-32]だったので、クロパラントゥ・フルデプスリーダーらは扱いに注意した方が良さそうです。
また「父にミスタープロスペクター系種牡馬を持つ馬」は2017年以降[0-2-0-23]、「出走数が24戦以上の馬」は2017年以降[1-1-0-35]。メイショウウズマサ・サヴァ・シャイニーブランコなど、血統やキャリアがこのレース向きでないと思われる馬も評価を下げるべきでしょう。
狙ってみたいのはケイアイターコイズ。展開に恵まれなかった前走は度外視できますし、特に不安要素が見当たりません。
【3レース目 北九州短距離S(小倉11R)】
牝馬や馬格のない馬は割り引きが必要。「性が牝の馬」は2020年以降[0-0-1-17]、「前走の馬体重が480kg未満だった馬」は2020年以降[0-0-1-16]でした。今年はマイネルジェロディ・アスコルターレらがこの条件に引っ掛かっています。
面白そうなのはロードベイリーフ・ダディーズビビッド・ヴェントヴォーチェ・ラヴィングアンサーあたり。「前走の上がり3ハロンタイム順位が3位以内だった馬」は2020年以降[2-1-0-5]ですから、ロードベイリーフは特に楽しみです。
【4レース目 京都記念(阪神11R)】
実績馬が圧倒的に優勢。「“JRA、かつGIのレース”において3着以内となった経験がない馬」は2016年以降[0-0-1-39]、「“前年以降、かつJRA、かつGI・GIIのレース”において3着以内となった経験がない馬」は2016年以降[0-0-1-35]と、それぞれあまり上位に食い込めていません。マリアエレーナ・レッドガラン・サンレイポケット・レッドジェネシスらは過信禁物と見るべきでしょう。
なお「馬齢が6歳以上、かつ“JRA、かつ2000m以下、かつGIのレース”において3着以内となった経験がない馬」は2016年以降[0-0-0-31]。中距離以下のビッグレースで好走したことがある馬を除くと、高齢馬は期待を裏切りがちでした。
今年はユーバーレーベン・マカヒキの2頭が有力。ちなみに「前走の条件がGIだった馬」は2016年以降[5-4-4-10]と安定しています。
【5レース目 共同通信杯(東京11R)】
直近のパフォーマンスを素直に評価したい一戦。「前走の着順が5着以下だった馬」は2018年以降[0-0-1-14]、「前走の4コーナー通過順が8番手以下だった馬」は2018年以降[0-0-0-14]でしたから、ジオグリフ・ダノンスコーピオンらの扱いに注意したいところです。
あとは中距離のレースにおける実績や生産者も見逃せないポイント。「“中央場所、かつ1800m以上のレース”において3着以内となった経験がない馬」は2018年以降[1-1-0-16]、「生産者がノーザンファーム以外、かつ“東京、かつ出走頭数が13頭以上のレース”において1着となった経験のない馬」は2018年以降[1-0-0-20]なので、該当馬は評価を下げるべきでしょう。
レッドモンレーヴ・ジュンブロッサム・ダノンベルーガあたりも侮れませんが、注目はやはりアサヒ。このメンバー構成なら実績上位ですし、コース適性の高さも証明しています。
伊吹雅也
競馬評論家。JRAの公式ホームページ内「今週の注目レース」にて“データ分析”のコーナーを、TCK(東京シティ競馬)の公式ホームページ内「分析レポート」にて重賞競走のデータ分析を担当しているほか、グリーンチャンネル、JRAのレーシングプログラム、『週刊アサヒ芸能』、『競馬王』などさまざまなメディアを舞台に活動している。主な著作に『WIN5攻略全書 回収率150%超!“ミスターWIN5”のマインドセット』、『コース別 本当に儲かる騎手大全』シリーズ、『コース別 本当に儲かる血統大全』シリーズ、『ウルトラ回収率』シリーズ(いずれもガイドワークス)など。