2022年03月17日(木) 18:01 108
▲フリーになっても親子のよう、松山騎手が明かす師匠への思い (C)netkeiba.com
3月は競馬界のスタートの季節。今年も初々しい新人騎手たちが、プロとしての第一歩を踏み出しました。
近年目立つのが、若手騎手たちの活躍ぶり。そこで、いま特に輝いている横山武史騎手と松山弘平騎手のそれぞれの師匠に、お二人の新人時代についてお聞する企画を実施しました。
今回は、師匠のコラムを読んだ松山弘平騎手ご本人が、自身の新人時代を振り返ると共に、定年を控えた師匠への思いを明かします。
(構成=不破由妃子)
※この記事は3/10に行った取材を基に構成しました。松山騎手は現在、落馬負傷により休養されています。一日も早いご回復を心よりお祈り申し上げます。
→「横山武史騎手」の新人時代は――師匠・鈴木伸尋師の証言「本当にコツコツ努力を」2011年にフリーになって、もう10年以上が経ちますが、今でも自分は池添厩舎の一員だと思っています。ここ2年はコロナの感染拡大防止対策で厩舎への出入りはできませんが、僕にとって池添厩舎は、とても居心地がいい場所。先生が作ってくださった、僕の“居場所”です。
正直、デビュー当初は「息子である(池添)謙一さんが同じ世界にいるなかで、はたして自分はここでやっていけるのだろうか…」と思ったこともありました。でも、インタビューのなかでもおっしゃってくれていましたが、先生は本当に池添家の三男坊として可愛がってくださった。
フリーになるタイミングもそうですが、常に僕にとってどうすることが一番かを考えて動いてくださいましたし、僕のためにいろんなところで頭を下げてくださっていたことも人伝に聞いています。だから、フリーになって以降も、調教だけでもお手伝いしたい、少しでも先生の役に立ちたいとずっと思ってきました。
いっぽうで、先生は別に僕に恩返しをしてほしいなんて思っていないと思うんですよ。なぜなら、親は見返りありきで子供を育てているわけではないから。先生を見ていると、それが自然と伝わってきますし、「三男坊のつもりで…」という言葉にもつながってくるように思います。
気づけば、先生も定年まであと一年。まだ一年ありますが、実はもうすでに寂しくて(苦笑)。自分の居場所がなくなってしまうんだなぁということも、すでに実感として身に迫っています。
だからこそ、早くコロナ前の日常に戻って、少しでも長く池添厩舎にいたい。今は当たり前の日々が戻ってくることを祈るばかりです。
JRAジョッキー 松山弘平
netkeibaライター
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