2022年06月06日(月) 18:00
・6/5 安田記念(GI・東京・芝1600m)
中団追走から馬群の外を伸びたソングラインが、シュネルマイスター、サリオスとの追い比べを制し、初のGIタイトルを獲得しました。今世紀に入ってから牝馬の優勝はウオッカ、グランアレグリアに次いで3頭目。道中12秒台のラップが二度連続するスローペースだったので、勝ち馬の上がり3ハロンは32秒9。19年のインディチャンプと並んで史上最速です。
父キズナはエリザベス女王杯を勝ったアカイイト、重賞4勝馬ディープボンドをはじめ、ファインルージュ、ビアンフェ、マルターズディオサなどの父。GIを勝ったアカイイトと本馬はいずれも「キズナ×シンボリクリスエス」という組み合わせです。
3代母ソニンクの一族は、ダービー馬ロジユニヴァース、秋華賞と英G1ナッソーSを勝ったディアドラをはじめ、多くの活躍馬を出しており、とくに東京コースの芝重賞では連対率38.5%と好成績を挙げています。
前走のヴィクトリアマイルは3コーナーで躓く不利があり、なおかつ展開も向かず5着。今回は中2週で難しい調整だったはずですが、陣営がうまく仕上げました。能力にふさわしいタイトルをようやく獲得した、という印象です。
・6/4 鳴尾記念(GIII・中京・芝2000m)
中団のインを追走したヴェルトライゼンデが残り200mで先頭に立ち、ジェラルディーナの追撃を半馬身抑えて優勝しました。昨年1月のアメリカJCC以来久々の出走で、初の重賞制覇となりました。ワールドエース(マイラーズC、きさらぎ賞)やワールドプレミア(天皇賞・春、菊花賞)の半弟で、父はドリームジャーニー。
母マンデラはドイツの名馬マンデュロ(ジャックルマロワ賞などG1を3勝)の半姉にあたる良血で、現役時代に独オークス(G1・芝2200m)3着、ポモーヌ賞(仏G2・芝2700m)3着などの成績を残したスタミナタイプ。今回は2000m戦でしたが、血統的にはもう少し長めの距離をこなしてもおかしくありません。日本ダービー3着という成績があることを考えれば、2000〜2400mがベストでしょう。
・6/11 函館日刊スポーツ杯(2勝クラス・函館・芝1200m)
函館芝1200mに強い種牡馬はロードカナロア。2012年以降、当コースで産駒が20走以上した76頭の種牡馬のなかで連対率27.2%は第4位。当レースに産駒が登録している種牡馬のなかではナンバーワン。登録馬アスクキングコングは函館では初出走となりますが、ローカルの芝1200m戦は得意の舞台。母ウィケットキーパーはストロングリターン(安田記念)やレッドオーヴァル(桜花賞2着)の兄弟にあたる良血で、もっと上のクラスを目指せる器でしょう。
6月5日、仏シャンティイ競馬場で行われた仏ダービー(G1・芝2100m)は、好位を追走したヴァデニ(Vadeni)が後続に5馬身差をつけて楽勝しました。クリストフ・スミヨン騎手が残り100mで早々とガッツポーズをし、最後は流しながらのゴールという余裕の勝利でした。仏ダービーが2100mに距離短縮されてから最大着差で、馬主のアガ・カーン四世殿下は2006年のDarsi以来16年ぶり8回目の制覇となります。
凱旋門賞に挑戦するドウデュースに強力なライバルが出現したといっていいでしょう。父チャーチルはガリレオの息子ですが、現役時代はマイラーでした。このあたりが2400mのパフォーマンスにどう影響するのか、今後のレースで見極めていきたいところです。
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栗山求
netkeibaでもおなじみの血統評論家・栗山求氏が血統の面白さを初心者にもわかりやすくレクチャー。前週の振り返りや、週末行われるレースの血統的推し馬、豆知識などを通して解説していきます。 関連サイト:栗山求の血統BLOG
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