2022年11月19日(土) 12:00 16
秋に入り、天皇賞を3歳馬イクイノックスが勝ち、先週のエリザベス女王杯は、クリスチャン・デムーロ騎手のジェラルディーナが栄冠に輝いた。
3歳馬と外国人騎手、取りあえずマイルチャンピオンシップはこの2点に注目してみた。
特に、エリザベス女王杯で上位を独占した外国人騎手は今週も有力馬に騎乗しているが、マイルチャンピオンシップでは、2015年にライアン・ムーア騎手がモーリスで勝ってから、以後7年で5回も外国人騎手が勝っている。
短期免許で来日するこのシーズン、どのGIレースにも多く騎乗してくるが、そうした中でもムーア騎手と5歳馬サリオスとのコンビは、抜群の成績を残している。
朝日杯FSで初めて手綱を取り、スタートよく好位置につけ、直線もよく伸びてレースレコードで1番人気に応えていた。この時ムーア騎手は、「私が競馬ファンなら、ずっとこの馬を追い続けます。みなさんもこの馬を追い続けてほしいです」と、こんないい馬に乗せてもらえて光栄ですと心の内を語っていたのが印象に残っている。
その後皐月賞、ダービーが2着と底力を示していたが、道中折り合いがついたときの切れ味が武器で、前走の毎日王冠は、ハイレベルな一戦をコースレコードで制し、今回再びムーア騎手を迎えての戦いとなっている。
当然これと好勝負を演じた毎日王冠2着のジャスティンカフェ、今春安田記念で2着とサリオスに先着したルメール騎手のシュネルマイスターも圏内に入れなければならない。
一方の3歳馬だが、今年重賞を制した4頭が出ていて、2018年のステルヴィオ以来4年ぶりの勝利をうかがっている。
ステルヴィオはウィリアム・ビュイック騎手がこれでJRAのGI初勝利を記録していたが、朝日杯FSが2着でスプリングSを勝って春のクラシックを戦っていた。だが距離の壁があって二冠は4着と8着に終り、心身の成長を見せた秋、毎日王冠2着を経て、ここで3歳馬史上5頭目の勝利を飾っていた。ロードカナロアの初年度産駒の一頭で、連覇を狙ったペルシアンナイトをアタマ差抑え、マイル近辺の距離での安定した末脚が印象に残っている。
今年の3歳馬の中では、春はNHKマイルCを勝ってマイル戦での活躍が光るダノンスコーピオンが一番だろう。
前走の富士Sでは5か月半ぶりのレースだったが、勝ち馬セリフォスにマークされ、2キロの斤量差もあり3着に終っていた。このレースは、よどみない流れで春の安田記念を0秒3上回り、1分32秒台の決着と優秀だった。ダノンスコーピオンがロードカナロア産駒というのも、少し気にしたい。
マイルで負けなしの白毛のソダシは、展開が流れてくれた方がよく、軸馬としての安定感はある。初の親子制覇を狙うダイワメジャー産駒のセリフォス、マテンロウオリオンと共に押さえの馬という評価にしておく。
「あらためて マイル制圧 本物だ」
長岡一也
ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。