2022年12月02日(金) 12:00
先週のジャパンカップは、多くの方がムーア騎手の巧さに度肝を抜かれていたことでしょう。前半、少し折り合い面に気を配り、なおかつ勝負所での反応がスパッといくタイプではないヴェラアズールをスローのインからの接戦で勝たせてしまうのだから、まさに神騎乗。
これまでの原稿や配信などでムーア騎手の巧さや大好き度を書いてきましたが、私自身は想像していた通りの手綱捌きだっただけに、「やっぱりムーアは別格」と再認識すると共に、ムーア騎手でなければ勝てていなかった一戦。本当にステキすぎました。
またレースの夜、偶然にも管理する調教師の渡邊先輩と数時間一緒だったのですが、「レース前に、馬の性格や難しさを細かく説明してしまった…。そんな自分を恥ずかしく思う」と。しかもムーア騎手は検量室に引き上げてきた際、「イージーホース」と口にしていたとのことで、彼は全ての面においてレベルが違いすぎる騎手なのでしょう。
また4着と負けはしたものの、もう1頭、驚かされたのがマーカンド騎手とデアリングタクトとの道中のコンタクト。もちろん他のレースにおいても馬を動かせる、追える騎手というイメージを周囲に印象付けただけに、次回の来日では確実にGI戦線でも中心格になっていくジョッキーとなることでしょう。年齢を考えても、今後が楽しみでなりません。
さて今週は中京で行われるダートGI・チャンピオンズC。
中心格となるのは、テーオーケインズでしょう。前走のJBCでのレースぶりもさることながら、パドックから帝王賞との違いを感じる体付きと雰囲気でした。やはりあの帝王賞の敗因はレース内容云々ではなかったと個人的には感じる一戦でしたし、改めてこの馬は、当日の返し馬の際、ある程度の強さでハミをとっていくぐらいが良いように感じます。
あと極端な着順からも何かリズムがあわないと大差負けの可能性もありますが、気分よく走れれば‥‥と馬券的にも押さえておきたくなる穴馬はバーデンヴァイラー。
初コンビとなるレーン騎手がどうコンタクトを取り、馬の気持ちと寄り添うか? そこも楽しみです。
そしてムーア騎手のグロリアムンディ。
ムーア騎手でこの枠というのが、さらに魅力を増しますし、ひょっとしたら…と思わせます。それでは皆さん、また来週お目にかかりましょう。ホソジュンでしたぁ。
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細江純子
愛知県蒲郡市出身。JRA初の女性騎手として96年にデビュー。2000年には日本人女性騎手初の海外勝利を挙げ、01年6月に引退。 現在はホース・コラボレーターとして、フジテレビ系『みんなのKEIBA』などに出演。
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