先週の血統ピックアップ

・4/16 皐月賞(GI・中山・芝2000m)

　後方を追走したソールオリエンスが直線で大外から伸び、先に抜け出したタスティエーラをとらえました。デビューから3戦全勝。キタサンブラック産駒は2世代目でクラシック初制覇となります。スタッド入りしてから6シーズン目となる今年、種付け料が前年2倍の1000万円に上昇しました。本馬やイクイノックスが今後タイトルを上積みすることが予想されるので、来年はさらに上昇するのではないでしょうか。

　母スキアはモティヴェイターの娘。GIを3勝しているタイトルホルダー、エリザベス女王杯2着馬ステラリア、そして本馬の半兄ヴァンドギャルド(富士S1着、ドバイターフ2着)など、モティヴェイターを母の父に持つ馬はわが国で大成功しています。キタサンブラック産駒も、母の父にモティヴェイターを持つ産駒も、良馬場より稍重〜不良のほうが優れた成績を残しています。馬場が重くなったのはソールオリエンスにとってむしろ好材料でした。

　先の話になりますが、もしヨーロッパに遠征することにでもなれば、こうした血統構成は強みとなります。前走の京成杯と同じく、今回も最終コーナー手前で逆手前となり、外に膨れ気味になりました。東京コースのデビュー戦はそうした点は見られなかったので、現状では左回りのほうがスムーズに走れそうです。400mの距離延長も問題ありません。

・4/15 アーリントンC(GIII・阪神・芝1600m)
　中団からレースを進めたオオバンブルマイが直線で外に持ち出すと、ゴール前で競り合うセッションとショーモンをまとめて交わしました。昨年11月にデビュー2連勝で京王杯2歳Sを制し、続く朝日杯フューチュリティSは出遅れもあって7着と敗れたものの、休み明けのここは鮮やかな差し切り勝ち。重賞2勝目を挙げました。

　母ピンクガーベラはノースヒルズの生産馬で、ブランボヌール(函館2歳S、キーンランドC)、エントシャイデン(仏G1フォレ賞3着)の全きょうだい。ビアンフェ(函館2歳S、函館スプリントS、葵S)の4分の3姉でもあります。母は「ディープインパクト×サクラバクシンオー」ですから、キタサンブラックの配合構成(ディープインパクトの全兄ブラックタイドが父、サクラバクシンオーが母の父)とよく似ています。

　本馬は、父ディスクリートキャットがダート向きの種牡馬ですが、母方の血が芝向きなので、芝適性の高い競走馬となりました。426kgという小柄な馬体がハンディキャップになっていないのは素晴らしく、晴雨兼用で死角らしい死角が見当たらないので今後が楽しみです。

今週の血統注目馬は？

・4/23 石和特別(2勝クラス・東京・芝1800m)

　東京芝1400mと相性のいい種牡馬はロードカナロア。連対率25.4％は、2013年以降、当コースで産駒が20走以上した106頭の種牡馬のなかで第1位。当レースにはカーペンタリアが登録しています。4歳馬ながらキャリア4戦ですが、ここまで4戦2勝。

　前走2着に負かしたホウオウプレミアは次走、すぐに勝ち上がりました。開幕週のここに狙いを絞って調整してきたので、仕上がりに問題はありません。プリモシーン(フェアリーS、関屋記念、東京新聞杯)の半妹で、今回は昇級緒戦ですが、2勝クラスで足踏みするような器ではないでしょう。

今週の血統Tips

　4月22日(土)、リニューアルした京都競馬場がグランドオープンします。2年4ヵ月にわたる長い改修を経て、どんな競馬場になったのか、早く訪れてみたいという気持ちでわくわくします。スタンドやパドックなどのファンエリア、厩舎地区や装鞍所などを中心に大規模な改修が行われた一方で、コースに関しては、「芝外回りコースについて、4コーナーのカーブを緩やかにし、1,600メートルスタート地点を拡幅」したとのこと(JRAホームページ)。

　形状に関してはこのようにごくわずかな変更しかありません。ただし、芝・ダートとも路盤の改修を行っています。芝コースは40〜50センチほど掘り起こし、三層の路盤を形成し、その上に芝を敷き詰めたとのこと。

　最新の研究に基づいた最良のコースを作ったはずです。馬券を買う側として知りたいのは、高速馬場になるのか、普通程度なのか、時計が掛かるのか、ということですが、こればかりは走ってみなければ分かりません。綺麗に生え揃った芝だけに、高速馬場になりそうなイメージはありますが、個人的には、最初はやや時計が掛かり、蹄で踏み固められながら徐々に時計が出てくるのではないか――という気がします。時計の出具合によって、買える血統、買えない血統を考えていかなければならないでしょう。