2023年10月08日(日) 18:00
今年のメンバーは6歳以上のベテランが多く、最近10年で最多の5勝を記録する5歳馬は1頭だけ、もっとも馬券圏内率、33.3%の高い4歳馬【2-5-2-18】も3頭しかいない。その4歳馬の1頭、上昇一途のブローザホーン(父エピファネイア)に期待したい。
牡馬にしては小柄な馬体ながら、立て直しに成功した3歳秋以降【4-1-1-1】の成長をみせている。初めて京都に遠征した3走前の烏丸S2200mは、2勝クラスを突破したばかりの格上がり初戦。馬場は発表ほど悪くはなかったが、不良馬場の2200mを5馬身差(上がり最速の35秒9)で独走した。
オープン馬となると、いきなり重賞初挑戦は函館記念2000m(稍重)。大きく置かれながら猛然と突っ込んで3着すると、前走の札幌日経OP2600m(稍重)が圧巻。いつもより早めにスパートして6馬身差(上がり最速の35秒4)の圧勝だった。
ともに時計が平凡なのは、渋った馬場のため。これまで全5勝のうち4勝が渋馬場(稍重-不良)だから、スタミナと底力を秘めている。こういう重馬場巧者は、案外小柄な馬に多いが、それは走りにくい馬場で大型馬が体を動かす(移動させる)のと違って、スタミナロスが少ないからだとされる。ブローザホーンはまさにそのタイプだ。
父エピファネイアの産駒は、一時は早熟型が多いとされたりしたが、他の種牡馬より「総じて…」とされる評価を好まないところがある。
2021年の京都大賞典をマカヒキのハナ差2着したアリストテレス(2020年の菊花賞はコントレイルのクビ差2着)、2021年の菊花賞2着のオーソクレース(勝ち馬はタイトルホルダー)など、不良馬場の菊花賞を快勝した父エピファネイアのスタミナを受け継ぐ産駒も少なくない。
9日の京都の馬場状態は難しいが、まだ今年2開催目の第一週。雨の影響はあっても実質は「稍重」程度か。ブローザホーン向きだろう。57キロで得意の京都で戦えるディープボンドと、渋った馬場の京都は歓迎のマイネルウィルトスが相手本線。
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柏木集保
1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。
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