【菊花賞予想】淀の長丁場はディープの血が強い 春天同様プリンスリーギフトが穴に

2023年10月15日(日) 18:00

 今年は3年ぶりに京都外3000で行われる菊花賞。18年は1着フィエールマン(母母父父ラインゴールド)、2着エタリオウ(父ステイゴールド)、3着ユーキャンスマイル(母母母母父ソーブレスド)と、プリンスリーギフトの血を引く馬が1〜3着を占めた。20年はゴールドシップ産駒ブラックホールが14人気5着、19年はオルフェーヴル産駒メロディーレーンが12人気5着、17年はステイゴールド産駒マイネルヴンシュが11人気4着、16年はステイゴールド産駒レインボーラインが9人気2着。淀の坂を上手に下る前輪駆動を伝えるので、ステイゴールドやプリンスリーギフトの血は常にマークしておきたい。登録馬でプリンスリーギフトの血を引くのはソールオリエンス(父キタサンブラック)、トップナイフ(母母父バンブーアトラス)、ドゥレッツァ(母母母母父ラインゴールド)、マイネルラウレア(父ゴールドシップ)。種牡馬でいうと、20年コントレイル、19年ワールドプレミア、18年フィエールマン、16年サトノダイヤモンドと近5年でディープインパクト産駒が4勝。しかも17年は母父ディープインパクトのキセキが勝っている。(解説:望田潤)

ウインオーディン

 母ピエナビーナスはクイーンSの勝ち馬。牝祖メイデンコンサートの産駒に伊2000ギニーのキャンディグレン、愛ダービートライアルS(愛G3・芝10F)のアシュレーパークがいる。エピファネイア×フジキセキはシティレインボーなどと同じ。ニジンスキーのクロス(6×4)を感じさせる体のラインで、戦績どおり大箱向きの中距離馬。セントライト記念よりは菊花賞のほうが舞台としては合っている。ちなみにエピファネイア産駒は菊花賞では[0-2-1-2]。

距離○ スピード○ 底力○ コース◎

サトノグランツ

 母チェリーコレクトは伊オークス(伊G2・芝2200m)勝ち馬で、ワーケア、ダイアナブライト、ダノングレース、クロンターフなどを産んで母としても優秀。母母ホーリームーンも名繁殖で欧G1馬を3頭産んでいる。サトノダイヤモンド産駒で母系にカーリアンが入るのはシンリョクカと同じ。アルザオ≒リリズムのニアリークロスも高確率で走っている。わりと父似で長丁場の適性は高そうだが、ダンジグ5×4も作用した走りで京都よりは阪神がベターかも。

距離◎ スピード○ 底力◎ コース○

サヴォーナ

 レオパルディナやアイムユアドリームのイトコでユアヒストリーなども近親。母父スニッツェルは豪州で大成功しているデインヒル系だが、母母ラプーマはビウィッチS(米G3・芝12F)2着でロードアットウォーのスタミナを引いている。母父がスプリンターなので先行脚質に出たのは順当だが、牝系のスタミナも強くジリっぽいがしぶとい。神戸新聞杯もゆきやなぎ賞もサトノグランツと接戦の2着だった。京都外だと斬れ負けしそうなのでタフな馬場を望む。

距離◎ スピード○ 底力◎ コース○

シーズンリッチ

 エバーシャドネーの半弟で、カレンマタドールやサトノマックスの甥で、母エバーシャルマンはJRA2勝(芝1800〜2200)。母母ラシャルマンテはラプラタ1000ギニー(亜G2・ダ1600m)などに勝っている。そこにドゥラメンテで、サンデー、トニービン、トライマイベスト=エルグランセニョールなどをクロスする強力な父母相似配合に。東京向きの血統というべきだが、2勝はともに上がりのかかるレースで、京都外の上がりのケイバでは苦戦か。

距離○ スピード○ 底力○ コース○

ショウナンバシット

 スーパーフェザーの甥で、母母オーサムフェザーはBCジュヴェナイルフィリーズ(米G1・ダ8.5F)勝ち。母父メダグリアドーロは北米で成功したサドラーズウェルズ系でファントムシーフやハヤブサマカオーの母父。父シルバーステートはエエヤンやセイウンハーデスなどを出す人気種牡馬。父と母父のパワーと機動力が活きた配合で、父譲りのロベルト的な後駆で、コーナリングがよく好位捲りで手堅い。こういうシルバーステートは外回りより内回りだろう。

距離○ スピード◎ 底力○ コース○

ソールオリエンス

 ヴァンドギャルドの3/4同血の弟で、母スキアはフィユドレール賞(仏G3・芝2100m)勝ち馬。英オークス馬ラヴも同牝系。母父モティヴェイターは英ダービー馬でタイトルホルダーの母父でもある。父キタサンブラックは年度代表馬で本馬やイクイノックスを出し成功。重厚で奥深い中距離血統だが機動力も兼備し、皐月賞も4角膨れながら豪快に差し切り。セントライト記念は本番をにらんだ折り合いを重視した運びで末を伸ばした。長距離がベターではないがナンバーワンの底力で。

距離○ スピード◎ 底力◎ コース○・・・

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望田潤

競馬ライター。血統評論家。育成牧場従業員を経て競馬通信社編集部に在籍、そこで笠雄二郎著「日本サラブレッド配合史」の影響を強く受ける。サイト「血統屋」「競馬道ONLINE」月刊誌「サラブレ」「ECLIPSE」などで血統に関するコラムや予想を執筆中。共著「パーフェクト種牡馬辞典2018-2019」も好評発売中で、馬主・生産者の配合アドバイザーも務める。ブログ「血は水よりも濃し」http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo

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