2023年10月28日(土) 12:00
4歳の秋を迎えたイクイノックスは、これまで8戦6勝2着2回、そのうちGIを国内外で4勝しており、2着2回も皐月賞と日本ダービーなので、3歳、4歳の全6戦がGI戦ということになる。2歳の8月に新馬勝ちをして、11月に東京スポーツ杯2歳Sで連勝してからは目標は、クラシックでありGI戦なのだが、体質が弱くレースでの消耗が激しく、間隔を取って戦ってきたためにこうなってきた。
昨年秋の天皇賞、有馬記念と古馬陣を破って3歳で年度代表馬に選ばれ、4歳の今年は3月のドバイシーマクラシックを圧巻のレコードタイムで3馬身半差の逃げ切り勝ちをし、6月の宝塚記念では後方から大外一気の差し切りと変幻自在ぶり、その存在は世界が注目している。レーティング世界1位となれば、この秋の天皇賞連覇への期待は大きくなるばかりと言いたい。しっかり夏を休み、週を追うごとに調子を上げ、パートナーのルメール騎手も一層自信を深めているとなれば、あとはどんな勝ち方をするかだけだ。
こうした一強という状況に待ったを掛ける存在はと、当然考えたくなる。昨年の天皇賞(秋)で大逃げを打ったパンサラッサは、1000米57秒4でとばしレースを盛り上げてくれた。前半はゆったり走っていて、2角を回ってからペースを上げ後続との差を広げ、最大15馬身は離していたが、イクイノックスは中団の外目でじっと動かず、最後は上がり3ハロン、32秒7の切れでこれをとらえていた。
ルメール騎手は「道中、パンサラッサは見えていなかったが、直線に入ったときはびっくりした。もう間に合わないかと思ったが、本当にいい脚を使ってくれた。この秋から来年にはもっと強くなっていく。今日が最初のGIだが最後ではありません」と、2017年に秋の天皇賞を勝ちGIを7勝した父キタサンブラック同様の活躍を約束していたが、以後GIを4連勝、着々と記録を伸ばしている。
木村調教師も「正直この馬はどこに限界があるのか分からない」と、その可能性に触れていたが、今年は昨年のパンサラッサのような7番人気で2着に逃げ粘るような存在は考えにくい。やはり、同世代のダービー馬ドウデュースとの対決に焦点を当てることにしたい。
2歳時に朝日杯FS勝って一歩先んじてGI馬になっていた。皐月賞は3着だったがダービーでイクイノックスをクビ差下していた。昨秋は仏遠征で苦戦したが、今年は京都記念で風格を取りもどしている。ドバイターフの取消があって8か月半ぶりの実戦になるが、迫力を増した今なら、東京の2000米はいい条件と思っていい。
いずれにせよハイレベルなレースなので、争覇圏に入れるのは残るGI馬たちということになる。4歳になり阪神大賞典から春の天皇賞と勝ち、宝塚記念3着で地力を示したジャスティンパレス。大阪杯を逃げ切ったジャックドールなど、遅咲きの成長株に少し手を広げておく。
「揺るぎない 強さ感じた 大一番」
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長岡一也
ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。
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