アプリ限定 2023年12月13日(水) 12:00
こちらのコラムでは、俺プロ出身の奇才・のれん氏が当週の重賞注目馬を公開。ただ強いというだけでなく、馬券で期待値がとれそうな「妙味ある馬」を紹介していただきます。
今週のれん氏が注目したのは、阪神競馬場で行われる朝日杯フューチュリティステークス(GI)。実力派の見解を、ぜひ予想の参考にお役立てください!
先週行われた牝馬限定戦の阪神JFに続いて、同じ阪神芝1600mで行われる朝日杯FS。コースについては先週も書いたので軽くおさらいすると、元々大きなバイアスのあるコースではないが京都競馬場改修以降は内枠有利の傾向で、昨年のこのレースも内を回らないと勝負にならないレースになった。開催日程が通常に戻った今年も先週までの傾向が続くならやや内枠有利になりそう。
レースの位置付けを牝馬の阪神JFと比較すると、桜花賞と同コースでクラシックに直結する阪神JFに対し、牡馬クラシックは2000mの皐月賞が最短距離で、朝日杯FSは元々クラシックを目指す馬は出て来ない傾向だった上、2017年からはホープフルSがGIになったことで更にその流れは強くなった。
つまり阪神JFは強い馬が集まるので王道の重賞路線を使ってきた馬が強いのに対し、朝日杯FSは路線が分散することでメンバーレベルが下がり、近年でも2019年グランレイ・2020年グレナディアガーズ・2022年レイベリングと毎年のように新馬未勝利のような格の低いレースからのローテの馬が馬券になっている。対して前走重賞組は壊滅的な前走1400m組を抜いても、人気する割に好走率は低く妙味がないという結果。
その重賞組の不振の要因の一つに考えられるのが、関西圏で行われる1600m重賞という条件で重要ステップなはずの前走デイリー杯2歳S組の成績の悪さで、同期間(1-2-1-11)の単勝回収率30%、複勝回収率34%。2016年以前に遡ってみても阪神開催になってからそのローテで勝ったのはアドマイヤマーズだけで、人気馬よりむしろアルマワイオリ(単勝64.7倍2着)やボンセルヴィーソ(単勝72.7倍3着)といったように穴馬の巻き返しが目立つ。
この2頭は共にデイリー杯2歳Sでスローを先行して敗れた馬で、中間緩んでの瞬発力勝負になりやすい京都1600mよりも阪神1600mに適性があったということだろう。アドマイヤマーズにしてもスローの上がり勝負だったデイリー杯2歳Sでは辛勝だったが、平均ペースで流れた朝日杯FSではグランアレグリアを破っての勝利とパフォーマンスが全く違った。近年は阪神開催だったが、結局同コースでもデイリー杯2歳Sは少頭数でスロー競馬になって、朝日杯FSは頭数が揃ってペースが流れるという流れを踏んでいることからメカニズムとしては近しい。
中距離からの転戦馬が少なくなった影響かここ4年の朝日杯FSは1000m通過が57.2秒、56.9秒、58.3秒、57.8秒と毎年ハイラップになっていて、今年の登録メンバーを見ても回避予定のスウィープフィートとナイトスラッガーを除いた17頭中、前走初角3番手以内が8頭と多く速い流れになる可能性は高そう。今年は例年よりは流れたがそれでも中距離質な競馬ではあったので、やはりデイリー杯2歳S好走組は人気ほど信頼できないのではないか。
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のれん
人気落ちを狙い、買い時を逃さない俺プロ出身の人気予想家。本格的に競馬予想を始めてから僅か3年で年間回収率115%を達成し、2021年11月にウマい馬券でデビューを果たした。馬場や枠順はもちろん、血統・馬体・走法などから見る適性も重要視しており、その実力には現在活躍中のプロ予想家たちも絶賛している。
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