アプリ限定 2024年01月22日(月) 18:01
障害ジョッキーの白浜雄造騎手の奥様が、一昨年の夏の落馬から復帰を目指して奮闘する夫と家族のリアルな姿を描く新連載。
その後も雄造騎手からの「帰りたい」コールは鳴りやまず、由紀子さんは以前から計画していた“適材適所でのサポート作戦”を実行。
作戦は成功しホッとしたのも束の間、次は許可された以上のお菓子を隠れて食べているようで…。
バレットに復職して以降は毎日が慌ただしく、時間がアッという間に過ぎていきました。
そんななかで、毎度お馴染みの夫からの「帰りたい」コールは鳴りやまず。そこで私は、以前ここに書いた「話の聞き役、癒し役は、白浜家のみなさんにお任せする」という作戦を実行することにしました。
「パパの帰りたい気持ちは十分伝わった。子供たちもパパの帰りを待ってるよ。だけど、回復期の今は、自分を追い込んで回復することだけを考えてほしい。確かに失った物は大きすぎる。だから、それを取り戻すためには、時間や気持ちのすべてを回復に充てて、とにかくやるしかない。これはパパ自身のためでもあるけど、子供たちのためでもあるんだよ」
「お義母さんや兄弟なら、別の視点で何かいい意見を出してくれるかもしれないよ。連絡してみなよ。私なんかより優しく話を聞いてくれるんじゃない?」
「あくまで仮の話だけど、私が病気で倒れたり、事故に遭う可能性はゼロではないよね? そうなったときに、パパを支えてくれるのはご実家のみなさん。14歳で競馬学校に入学するために実家を出てからは密なコミュニケーションを取っていなかったんだから、こういうときこそ積極的にコミュニケーションを取っておいたほうがいいんじゃない? お義母さんはもちろんだけど、弟くんだってパパに憧れて競馬のお仕事をする事になったんでしょ? お姉さんだって絶対にパパのこと心配しているし、みんなパパから頼られたら張り切っていろいろ頑張ってくれると思うよ!」
「これまで白浜家には、私から治療方針とか症状を伝えていたけど、ここら辺で伝えるべきこと、伝えなくていいことを自分で選択して連絡を入れてくれると私は助かる。お願いできるかな?」
作戦は大成功。私への帰りたいコールは徐々に減り、義実家への連絡に関しても、「必要だと思ったことは自分で連絡するようにする」と言い、実際に自分から連絡を取っているようでした。
淡海医療センターでは、これまでとは違うリハビリに取り組んだり、いろいろな検査などもあり、夫も忙しい毎日を過ごしているようでした。「これで少しは落ち着くかな」とホッとしたのも束の間、また私が頭を抱える事態が…。
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白浜由紀子
1981年9月9日生まれ。2015年に障害騎手の白浜雄造と結婚。1男1女をもうける。結婚前は四位洋文調教師や福永祐一調教師(両名、当時騎手)らが所属していたマネージメント会社にてマネージャーを務め、TV番組収録やイベント等、様々な現場で騎手をサポート。福永調教師の引退までの16年間はバレット業務も兼任。福永厩舎開業後は経理兼秘書業務を担当予定。現在はオンラインサロン「福永祐一 競走馬研究所」の運営スタッフを務める傍らフリーランスとして活動中。新たな目標のアイシングクッキー講師としても活動すべく準備中。(旧姓は坪田、また戸籍上の表記は幸子)
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