アプリ限定 2024年02月26日(月) 18:01
障害ジョッキーの白浜雄造騎手の奥様が、一昨年の夏の落馬から復帰を目指して奮闘する夫と家族のリアルな姿を描く新連載。
雄造騎手のまさかの「もう面会に来なくていい」発言をきっかけに面会を控えていた由紀子さん。『福永祐一 競走馬研究所』の立ち上げの仕事やお子様の保護者会活動などに集中していました。
そんなある日、ソーシャルワーカーさんから「雄造騎手のリハビリのモチベーションがまた下がっている」との知らせが。打開策として由紀子さんが思いついた提案とは──。
夫から「もう面会にこなくていい」と言われてからの続きです。
(福永)祐一さんは、「競馬の魅力をもっともっと伝えたい。そう思ってデビューしてから多少無理をしてでもたくさんのメディアに出演してきた。開業準備で忙しくなるとは思うけど、オンラインサロンを立ち上げて、スポーツとしての競馬の魅力を伝えたいと思ってる。競馬が好きな方と深い競馬の話もしたい。それに、コロナで減ってしまったファンの方との交流の場をこのサロンで作りたい」という思いから、オンラインサロンの立ち上げを決断されました。
私はマネージャー時代からずっと祐一さんのイベントやTV出演などを通して、競馬ファンの方々の生活のなかに楽しい時間や気持ち、笑顔を作り出すことができたらいいなという思いで仕事をしてきました。私個人では誰かを笑顔にすることはできませんが、“福永祐一”を通すことで、たくさんの方の笑顔を作ることができます。
だから、このお話をいただいたときはとてもうれしく、私のやりたいことのひとつであるファンサービスができることにやりがいも感じ、サロンがランニングするまでは、その仕事にもう少し集中したいと思っていました。
また、この頃の夫は、面会に行って話をしても、口から出るのは病院関係者やご実家のみなさんへの不平不満ばかり。いっぽうで、病院の方やご実家のみなさんには私への不平不満を漏らしていたそうなので、身近な人の不平不満を口にすることでストレスを発散させていたのかもしれません。
でも、マイナスな話というのは、聞かされるほうのストレスも溜まります。実際、私も面会のたびに疲弊し、病院へ行くことが大きな負担になっていました。
「ご本人が望むのであれば、なるべく多く面会してください」という医師からの指示があったので、無理をして面会に通っていました。でも、本人が望まないのであれば、医師の意見も違ってくるかもしれません。
白浜由紀子
1981年9月9日生まれ。2015年に障害騎手の白浜雄造と結婚。1男1女をもうける。結婚前は四位洋文調教師や福永祐一調教師(両名、当時騎手)らが所属していたマネージメント会社にてマネージャーを務め、TV番組収録やイベント等、様々な現場で騎手をサポート。福永調教師の引退までの16年間はバレット業務も兼任。福永厩舎開業後は経理兼秘書業務を担当予定。現在はオンラインサロン「福永祐一 競走馬研究所」の運営スタッフを務める傍らフリーランスとして活動中。新たな目標のアイシングクッキー講師としても活動すべく準備中。(旧姓は坪田、また戸籍上の表記は幸子)